China consul general osaka

中国駐大阪総領事の薛剣氏

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中国の薛剣駐大阪総領事が、先の衆院選期間中、自身のX(旧ツイッター)で、れいわ新選組の山本太郎代表の演説動画を引用する形でれいわへの投票を呼び掛けた。

外交官が赴任先の外国の選挙期間中に特定政党への投票を促す動画を投稿するのは内政干渉そのものだ。外交官は接受国の国内問題に介入しない義務を有すると定めたウィーン条約に違反している。

選挙とはその国の民主主義の基本である。外国が干渉していいものではない。共産党が独裁を敷く中国の外交官はそれも分からないのか。中国政府は薛総領事を更迭してもらいたい。

記者会見を行う林芳正官房長官=11月6日、首相官邸(春名中撮影)

今回の干渉を問題視した松原仁・元拉致問題担当相の質問主意書に対し、石破茂内閣は答弁書で薛総領事の投稿を「極めて不適切」とした。外交ルートを通じて申し入れ、削除を実現したとしているが、接受国の国内問題に介入しない義務に違反するかについては「一概にお答えすることは困難」とするにとどめた。

これはおかしい。石破内閣は日本国民の権利を守るつもりがないのだろうか。更迭されないなら、「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)として追放しなければならない事案である。

問題の投稿は投開票日2日前の10月25日だった。引用した山本代表の動画は「全国どこからでも、比例代表の投票用紙にはれいわとお書きください」と呼びかけていた。薛総領事はこの投稿に「世界のどの国も一緒だけど、政治が一旦歪(ゆが)んだら、国がおかしくなって壊れ、特権階層を除く一般人が貧乏(と)なり、とうとう地獄いきなんだ」と書き込んだ。

薛総領事は最近のXで「反中専門紙産経新聞と某反中政治屋が結託してでっち上げたこの汚い反中記事に抗議する!」「幾らなんでもこの私の口から『衆院選比例は「れいわ」とお書きください』という言葉が出るはずはない」などと反論した。

これは苦しい言い訳だ。「お書きください」と直接記さなくても読み手が影響を受けることは十分あり得る内容で、潔く謝罪したほうがよい。

一方、れいわには迷惑な投稿だったかもしれない。ただし、れいわが中国にはっきり抗議していないのは解せない話だ。

2024年12月1日付産経新聞【主張】を転載していますn

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