日本の若者の声を世界に発信する「Ignite」。第33回は2025年の「北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール」英語エッセイ高校生部門で優秀賞を受賞した杉山瑚胡さんの「Everyone has the right to be happy」を紹介します。
33 Koko Sugiyama Ignite

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日本の若者たちの「声」を世界に届けるJAPAN Forwardの企画「Ignite」の第33回。今回は2025年に開催された北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール英語エッセイ高校生部門で優秀賞を受賞した、鶯谷高等学校1年、杉山瑚胡さんの「Everyone has the right to be happy」を掲載します。

[受賞作品は上の (This post is available in English) のリンクをクリックしてください。]

木原稔拉致問題担当相から賞状を受け取る杉山瑚胡さん=2025年12月13日(政府拉致問題対策本部)

[和訳]

みんなが幸せになる権利を持っている

私は、今年(2025年)2月に拉致被害者・有本恵子さんの父、有本明弘さんが亡くなったことを知ったとき、強い危機感を覚えました。これで、横田めぐみさんの母・横田早紀江さんが、(政府認定の)拉致被害者の親として唯一の生存者となってしまいました。私たちは、家族とともに、長年多くの人々が抱いてきた希望や願いを引き継ぎ、担っていかなければなりません。

最初、私はこのテーマについて書くことをためらっていました。拉致問題を自分とは遠い存在だと感じていたからです。しかし、拉致被害者の家族によるビデオメッセージを見て、私の考えは大きく変わりました。有本さんが語った言葉が、今でも心に残っています。彼は「恵子だけが帰ってくるのでは真の解決ではない」と信じて、誰かに助けを求めるだけではなく、決して不平を言わない姿勢を貫いていました。

恵子さんは1983年10月、ヨーロッパでの留学中に姿を消し、最後の手紙はデンマーク・コペンハーゲンから送られてきました。どれだけ時間が経っても、家族はすべての拉致被害者のために戦い続けています。彼らの真剣な眼差しと、ビデオの一言一言が、私の心を深く動かしました。

そのとき、私は英語で自分の言葉を使って、彼らのメッセージを世界に届けようと決意しました。より多くの人にこの重大な問題について考えてもらう機会を作りたいのです。なぜなら、拉致問題はもはや「彼らの問題」ではなく、「私たちの問題」だと気づいたからです。

まず、自分自身の生活について考えてみました。私は愛知に住み、岐阜の学校に通っています。拉致が起きた場所からは遠く、これまで真剣に考える機会がありませんでした。でも、それを理由に無関心でいるわけにはいきません。世界中の人々が「すべての拉致被害者を帰国させる」という目標のために努力しています。私たちは、どこに住んでいてもこの問題を理解する責任があります。

その第一歩として、もっと多くの学校で、拉致問題についての作文を書く機会を設けるべきだと思います。作文を書くことで、生徒たちは情報を積極的に集め、批判的思考力を養い、自分の意見を持つことができます。そして、自分の言葉で考えを表現することで、この問題は「彼らの問題」ではなく「自分の問題」になります。だからこそ、学校でこの問題に正面から向き合う機会を作ることが必要だと思います。

すべての拉致被害者が空港に降り立つその日、私は家族と一緒に「おかえりなさい」と心から言いたいです。私の言葉がどんなに小さくても、その日が一日でも早く来ることを願って、英語で発信し続けます。だからこそ、私はこの作文を書いています。「みんなが幸せになる権利を持っている」。そして、拉致がその権利を奪うという事実を決して忘れてはなりません。この認識を持って、私たち一人ひとりが行動を起こし、この問題を風化させないよう努める必要があります。その第一歩は、現状を調べることでも、アニメ『めぐみ』を見ることでも、何でもいいのです。みんなが本当に幸せになれる世界を目指して、一緒に歩んでいきましょう。

杉山瑚胡さんのコメント

奪われたままの幸せがあることを、決して忘れないでください。

たとえ拉致現場から遠く離れていても、この問題を「自分事」として捉える、あなたが踏み出すその一歩が、誰かの幸せを取り戻す確かな力になります。

北朝鮮北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクールの受賞者=2025年12月13日(政府拉致問題対策本部)

■北朝鮮北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール
政府拉致問題対策本部では全国の中高生を対象に、拉致問題関連の映像作品、舞台劇の視聴や拉致問題関連書籍の読書等を通じて拉致問題を知ってもらい、拉致被害者や拉致被害者御家族の心情を理解するとともに、拉致問題解決のために自分に何が出来るのか、何をすべきかについて深く考える機会とすることを目的として、北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクールを実施しています。詳しくはhttps://www.rachi.go.jp/jp/shisei/sakubun.htmlをご覧ください。

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