Honda Nissan logos

ホンダ(上)と日産自動車のロゴ

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国内自動車大手のホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議に入ることで調整していることが分かった。

持ち株会社を設立し、両社が傘下に入ることを検討する。将来的に、日産と企業連合を組む三菱自動車が合流することも視野に入れているという。

両社が経営統合を検討するに至ったのは、米テスラや中国の比亜迪(BYD)といった新興メーカーが価格競争力や開発スピードの速さで電気自動車(EV)市場を席巻していることに対する危機感がある。

経営統合が実現すれば、販売台数ではトヨタ自動車グループ、独フォルクスワーゲン(VW)グループに次ぐ世界3位に浮上する。技術など持てる経営資源を結集することで魅力的な車の開発につなげ、世界市場で勝てる企業グループを目指してほしい。

3月15日の記者会見に臨む日産自動車の内田誠社長(左)とホンダの三部敏宏社長=東京都港区

日本メーカーはEVで大きく出遅れており、急速にEVの普及が進む中国市場では事業の縮小を迫られている。日本勢が高いシェアを持つ東南アジア市場でも、中国メーカーのEVが広がり始めている。

両社はこうした状況を打開しようと、今年8月にEV技術の開発で協業することで合意していた。三菱自も加わり、駆動装置の仕様の共通化などでコストダウンを図る。

さらに、両社はスマートフォンのように車載ソフトの書き換えによって車の性能を向上できる次世代車「ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)」技術についても共同開発するとしていた。

トヨタ自動車のレクサスのEV(同社提供)

EVは補助金がなければまだ価格が高く、充電設備の整備の遅れもあって需要には減速感もある。だが、車の脱炭素化に向け、EVが中核技術であるとの見方は変わっていない。

国内自動車産業は製造品出荷額が50兆円を超え、関連産業には約550万人が従事するという最大の基幹産業だ。衰退を招くことがあってはならない。

幸い、EVの販売が減速する一方で、日本メーカーが得意とするハイブリッド車(HV)の人気が米国市場を中心に再燃している。日本メーカーにとっては、EV事業を立て直す時間的な猶予を得たともいえる。

ホンダ、日産だけでなく、日本メーカーはこの機会を生かしてほしい。

2024年12月19日付産経新聞【主張】を転載しています

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