強力な毒針を持ち、他の生物にとって極めて危険な存在のスズメバチ。トノサマガエルは、毒針を恐れず、なぜ捕食することができるのか。神戸大の研究チームが最近の研究で、その謎を解明した。
オオスズメバチを捕食しようと襲いかかるトノサマガエル(杉浦真治・神戸大教授提供)
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強力な毒針を持ち、外敵への攻撃性が高いだ。日本でも、人が刺されて死傷するケースが後を絶たない。だが、水田や池に生息するトノサマガエルは、そんな厄介者のスズメバチを餌として平気で食べてしまう。毒針を恐れず、なぜ捕食することができるのか。神戸大の研究チームが最近の研究で、その謎を解明した。
際立って危険な生物
スズメバチは、強力な毒針を武器に外敵を撃退する昆虫として知られている。刺されれば激しい痛みが走り、場合によっては呼吸困難や意識障害などの重い症状につながる。厚生労働省の人口動態統計によれば、近年の日本では「ハチ刺され」による死者が年間20人前後で推移している。死亡例の多くはスズメバチ被害が占めるとみられ、自然の中で遭遇する危険生物の中でも際立った存在だ。
筆者:伊藤 壽一郎(産経新聞)
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2025年12月13日産経ニュース【びっくりサイエンス】より
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