星野リゾートは、国の重要文化財である旧奈良監獄を活用したホテル「星のや奈良監獄」の開業日を6月25日と発表した。1泊約15万円からという強気の客室料金も示された。
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星野リゾートが新たに写真を公開した「星のや奈良監獄」の客室のベッドルーム(同社提供)

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星野リゾート(長野県軽井沢町)は1月20日、国の重要文化財である旧奈良監獄を活用したホテル「星のや奈良監獄」(奈良市般若寺町)の開業日を6月25日と発表した。星野リゾートが最高級と位置付ける旗艦ブランド「星のや」を冠する宿とすることは以前から決まっていたが、1泊約15万円からという強気の客室料金も示された。4月27日にはホテルに併設するミュージアムが先行して開業し、奈良県が長年の課題としてきた宿泊客の押し上げを図る。

「星のや奈良監獄」の客室のリビングスペース(同社提供)

ホテルに再生される旧奈良監獄は、明治時代の1908年に竣工。2017年3月の奈良少年刑務所(旧奈良監獄)閉鎖までは700人ほどが収監されていた。監獄施設の近代化を目指して建てられた「明治五大監獄」の中で唯一現存する施設で、ロマネスク様式の赤レンガ建築は監獄とは思えない美しさと重厚感を兼ね備えている。

観光資源として整備、活用することでその収益を建物の保存費用に充てる計画だ。この日、星野リゾートが実施したオンライン会見で、星野佳路(よしはる)代表は「日本の重要文化財を観光の経済力で維持、保存する新しい取り組み。開業はゴールではなくスタートだ」とメッセージを寄せた。

「星のや奈良監獄」の客室の間取り図。イラストは舎房10室分で仕上げたスイートルーム(同社提供)

ホテルは500室あった舎房を全48の客室に改修。1室の広さが50~70平方メートルの3タイプを用意し、すべて寝室や居間、食事スペース、浴室を分けたスイートルーム仕様とする。客室料金は1室1泊14万7千円(税・サービス料込み)から。フランス料理を出すレストランも設ける。

「星のや奈良監獄」の客室のダイニングスペース(同社提供)

一方、観光庁の調査で奈良県の2024年の宿泊者数は延べ283万4450人と全都道府県で3年連続のワースト4位だった。奈良はインバウンド(訪日客)でにぎわう京都や大阪から距離的に近いが、消費額の少ない日帰り観光にとどまっている課題がある。

星のや奈良監獄の掛川暢矢総支配人は、こうした奈良の観光課題が顕在化していると指摘。その上で、新ホテルについて、「世界でも有数のラグジュアリーなホテルになる」と述べ、「エリア全体を滞在型の観光地に変化させる機会にしたい」と期待感を示した。

筆者:田村慶子(産経新聞)

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