立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」が綱領と基本政策を公表した。衆院議員だけが新党に参加し参院議員と地方議員は立民と公明に残る。政権を担う責任感の乏しさを示している。
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中道改革連合の綱領を発表する立憲民主党の安住淳幹事長(左)と公明党の西田実仁幹事長=1月19日午前、国会内

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立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」が綱領と基本政策を公表した。

立民と公明の衆院議員だけが新党に参加し参院議員と地方議員は立民と公明に残る。政権を担う責任感の乏しさを示していないか。やはり衆院選苦戦の予想を前に慌てて作った選挙互助会の性格が濃いのだろう。

衆参で党が分かれる不自然な姿は政党交付金を最大限得る方便との指摘がある。新党の共同代表になる野田佳彦立民代表と斉藤鉄夫公明代表には説明責任を果たしてもらいたい。

新党結成を巡り会談に臨む立憲民主党の野田佳彦代表(右)と公明党の斉藤鉄夫代表=1月15日午後、国会内(春名中撮影)

新党の綱領と基本政策からはあいまいさが感じられる。

綱領は「生活者ファーストの政策を着実に前へと進める中道政治の力が求められている」とし、「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」を理念に掲げた。だが、肝心の中道が何を意味するのか。右派、左派の間の相対的概念なのか。公明の支持母体・創価学会の故池田大作名誉会長は著書で「中道政治は、対峙(たいじ)する二つの勢力の中間や、両極端の真ん中をいくという意味ではありません」とし、「仏法の中道主義」を根底にすると記していた。中道について一層の説明が欠かせない。

綱領は「分断を煽(あお)る政治的手法」の台頭に危機感を示した。だが、基本政策で掲げた選択的夫婦別姓推進は、家庭や社会に分断を持ち込む代物だ。

基本政策は、集団的自衛権の限定行使を容認した安全保障関連法について、「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」とした。

沖縄県・与那国島へ向け、船で出発する台湾の游錫堃立法院長(左端)=2023年7月、台湾・宜蘭県蘇澳(共同)

存立危機事態とは、わが国と密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、それによりわが国の存立が脅かされるのが前提だ。基本政策が上乗せするように同事態における「自国防衛のための自衛権行使」と記したのはなぜか。自衛隊の適切な行動が制約される恐れはないか。

立民は根幹政策として安保関連法の違憲部分廃止を訴えてきた。選挙のどさくさで放擲(ほうてき)するのは政治家としての基本姿勢を疑う。徹底した党内論議や潔い謝罪が必要なのに素知らぬ顔なのは無責任極まる。

立憲民主党の野田佳彦代表=2024年10月、国会内(春名中撮影)

「防衛力等の整備」を記しても抜本的強化は謳(うた)っていない。緊急事態条項創設に触れないなど憲法改正の姿勢は不透明だ。新党に国家国民を守り抜く決意があるのか不安は残る。

2026年1月20日付産経新聞【主張】を転載しています

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