ニデックの半導体ソリューションセンターが入る建物=川崎市(©産経新聞)
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モーター大手のニデックは1月28日、不適切な会計処理疑惑を受けた改善計画・状況報告書を公表した。株価や短期的な利益を過度に重視する風土のもと、創業者の永守重信名誉会長の意向が優先され、ガバナンスや内部統制に脆弱(ぜいじゃく)性があったと分析。東京都内で記者会見した岸田光哉社長兼最高経営責任者(CEO)は謝罪し、「必ず正しくやる企業風土を作る」と強調した。
同社は昨年10月に東京証券取引所から「特別注意銘柄」の指定を受けた。今回の報告書は指定解除に向けた手続きの一環。改善計画は、ニデックが同月に設置した「ニデック再生委員会」が役員らにヒアリングして作成し、東証に提出した。

別に調査を続けている第三者委員会は来月末をめどに一定の調査結果をまとめ、その後に最終的な報告書を出すという。ニデックはその結果を踏まえ、責任を明確にし人事処分を実施する。
岸田氏は、昨年12月に代表取締役を辞任した永守氏について「(処分の)例外ではない」との認識を示したが、説明責任については「(永守氏が)会社の経営についてコメントすることはないと思っている」と述べた。同社は報告書について「制度や風土についての調査であり、誰かの責任を問うものではない」としており、永守氏へのヒアリングも実施していない。
報告書では、一連の疑惑発覚の端緒となったイタリア子会社での関税問題について、2022年に内部で把握しながら十分な対応を取らず、23年9月まで問題が継続したと説明。同種事案の有無を調査中としている。中国子会社での購買一時金の不適切処理など、経営陣の関与も含む複数の疑惑が発覚している。
ニデックは来月1日付で企業風土改革を推進する新組織を設立することを発表。改善計画では、内部通報制度の見直しを実施するなどの再発防止策を盛り込んだ。

特別注意銘柄指定から1年経過後に内部管理体制などの改善が十分でないと判断されれば上場廃止となる可能性もある。
岸田氏は「指定解除に向けて全社一丸となって取り組む」と述べた。しかし、第三者委の調査結果によっては改善計画の修正が必要となる。古い企業風土を改革し、再生へとかじを切れるのか不透明な状況が続いている。
筆者:桑島浩任(産経新聞)
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