在日中国大使館
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陸上自衛隊の3等陸尉が、中国大使館(東京都港区)の敷地内に侵入した。大使館職員が取り押さえ警視庁に引き渡した。3尉は建造物侵入容疑で逮捕された。敷地内から刃物が見つかった。
大使に会って意見を述べるために侵入し、意見が受け入れられなければ刃物で自決するつもりだったと警察に供述しているという。

容疑者は1月に陸自幹部候補生学校を卒業し、えびの駐屯地(宮崎県)に配属された。3尉は最も下位とはいえ、れっきとした士官だ。無断で上京し外国公館に侵入した。もってのほかの犯行だ。
小泉進次郎防衛相は会見で「法と規律を順守すべき自衛官が逮捕されたことは誠に遺憾だ」と述べた。防衛省によると容疑者の勤務態度や言動に問題があったとの報告はないという。犯行を示唆する言動がなかったか調べる必要がある。

木原稔官房長官は会見で、中国側に遺憾の意と再発防止に努める旨を伝えたと明かした。外国公館は外交関係に関するウィーン条約で不可侵が認められている。容疑者は、隣接の建物から有刺鉄線付きの塀を乗り越えて侵入したようだが、警察に油断があったのではないか。警察庁は外国公館の警戒警備徹底の通達を全国に出した。万全の態勢をとってほしい。
中国側が事件について日本に抗議したのは当然だ。中国側は容疑者が中国外交官を殺害すると脅したとしている。警察への容疑者の供述と異なっており、捜査を進めてもらいたい。
一方、中国外務省が、事件は日本で「新型軍国主義」が勢力を形成していることを反映していると非難したのはおかしい。軍国主義などはびこっていない。なんでも対日批判に使う悪癖は改めるべきだ。
中国は日本人の対中感情を逆なでしてきた。日本から尖閣諸島を奪おうとしている。空母艦載機が自衛隊機に射撃管制レーダーを照射した。

駐日大使が台湾問題に関連し「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と脅す暴言を吐いた。駐大阪総領事が高市早苗首相の斬首をXへ投稿した。通商で不当な圧力をかけてきた。枚挙に暇(いとま)がない。それでも中国への不満や意見は外交や正当な言論で表明しなければならない。それが日本の品格と国益を保つ道だ。
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2026年3月29日付産経新聞【主張】を転載しています
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