産業技術総合研究所と旭化成が、ミドリムシから接着剤を共同開発した。再利用も可能で、環境に優しい点も特長としている。
Euglena

フィルム状に加工したミドリムシから作った接着剤(左)と原料=2024年12月、茨城県つくば市

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産業技術総合研究所(産総研)と旭化成が、プランクトンの一種ミドリムシから接着剤を共同開発した。従来の石油由来のものより強度があり、自動車の製造に利用できるという。熱で簡単にはがすことができ、再利用も可能で、環境に優しい点も特長としている。

接着剤は、ミドリムシの細胞にある成分「パラミロン」に脂肪酸を加え、熱で圧縮し、フィルム状に加工した。

ミドリムシ(CC BY 2.0, Picturepest via Wikimedia Commons)

産総研の強度試験では、市販の石油系接着剤では接着したものを引っ張って破断させるまでの接着力が24メガパスカルだったのに対し、ミドリムシ接着剤では30メガパスカルと強く、軽量化が進む自動車向けの構造材料として活用できるという。

開発の背景には、欧州での環境意識の高まりがある。欧州では使用済み自動車の廃棄物が問題視されており、部品の再利用が求められている。高い接着強度と、簡単に解体できる性質を両方備えたミドリムシ接着剤は、高強度だが分解に手間がかかる従来の接着剤の代替品になることが期待される。

産業技術総合研究所=茨城県つくば市(産経新聞)

(産経新聞)

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