「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」で、自衛隊に対し「良い印象を持っている」とした人の割合が調査開始以来、最も高い93・7%に上昇した。防衛省では、中国や北朝鮮、ロシアなどが日本の安全保障環境を悪化させている現状が回答に影響したとみている。
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自衛隊に良い印象を持つ人の割合が過去最多となった=1月11日午後、千葉県の習志野演習場(酒巻俊介撮影)

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内閣府が公表した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査(速報値)」で、自衛隊に対し「良い印象を持っている」とした人の割合が1969年の調査開始以来で最も高い93・7%に上昇した。規模や能力を「増強したほうがよい」と考える人の比率も増加して45・2%になった。防衛省では、中国や北朝鮮、ロシアなどが日本の安全保障環境を悪化させている現状が回答に影響したとみている。

規模や能力「増強したほうがいい」45%に増加

調査は9日に発表された。1969年以降、ほぼ3年に1度実施しており、今回が19回目。昨年11月6日~12月14日に18歳以上の日本国籍を持つ3000人を対象に実施し、12月5日までに回答した1534人分を速報値として集計した。調査期間中の11月8日には、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が台湾有事に関する高市早苗首相の発言に関し「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」とX(旧ツイッター)に投稿、その後も中国政府から威圧的な対応が続いて日中関係が悪化した。

調査では「自衛隊に対してどのような印象を持っているか」との問いに対し、「良い印象を持っている」との回答が93・7%に上り、2022年の前回調査(90・8%)から2・9ポイント増加した。「悪い印象を持っている」との回答は3・0%で、同2・0ポイント減少した。

この結果について、防衛省は、中国の東シナ海・南シナ海における力による一方的な現状変更の試みの継続▷依然として継続しているロシアによるウクライナ侵略▷弾道ミサイルの発射をはじめとする北朝鮮の軍事動向▷最近の露朝軍事協力の急速な進展-などの事象が背景にあり、「日本の安全保障環境が一層急速に厳しさを増す中で防衛省・自衛隊の各種取り組みへの評価が大きく影響したのではないか」と分析した。

また調査では、「自衛隊の規模や能力をどうしたらよいと思うか」との質問に対し「増強したほうがよい」とする回答が45・2%となり、前回調査から3・7ポイント増加した。「今の程度でよい」(49・8%)「縮小したほうがよい」(2・2%)はいずれも前回より比率が減少した。

日米安全保障条約について「日本の平和と安全に役立っていると思うか」との問いには、「役立っている」との回答が92・0%で、「役立っていない」(7・1%)を大きく上回った。

陸上自衛隊第15旅団の創隊15周年と那覇駐屯地創立53周年を記念する行事に参加する自衛隊員=2025年11月、那覇市(大竹直樹撮影)

また、同条約のあり方については、「条約を続け、自衛隊で日本の安全を守るべきだ」とする回答が90・9%と大多数を占め、「条約をやめて自衛隊だけで日本の安全を守るべきだ」「条約をやめて自衛隊も縮小すべきだ」などとする意見の比率はいずれも1ケタ台の少数にとどまった。

国際的緊張で「戦争に巻き込まれる危険」8割超

現在の世界情勢から考えて日本が戦争を仕掛けられたり戦争に巻き込まれたりする危険があると考えるかについては、「危険がある」とする回答が80・6%を占め、理由として「国際的な緊張・対立があるため」と考える比率が86・6%に上った。一方で、「危険がない」と考える理由としては、「安保条約があるため」とする回答が前回から8・6ポイント増の65・2%となった。

調査結果を受け、防衛省は産経新聞の取材に対し、「国民の皆様からのご支持やご期待に適切に応えられるよう、引き続き我が国の平和と安全の確保、国民の安全・安心の確保に万全を期していく」(報道室担当者)とコメントした。

筆者:外崎晃彦(産経新聞)

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