令和7年10~12月期の実質GDP速報値が前期比0・1%増、年率換算で0・2%増とわずかながらも上向いた。プラス成長ながらも力強さに欠け、克服すべき課題は多い。
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閣議に臨む高市早苗首相(中央)。「強い経済」の実現が期待されている=2月13日午前、首相官邸(春名中撮影)

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いまだ低空飛行から脱せないものの、一方で底堅さもある。そんな景気の現状を端的に表す結果となった。

令和7年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比0・1%増、年率換算で0・2%増とわずかながらも上向いた。

事前の民間予測ほどの伸びではないが、2四半期ぶりのプラス成長だ。昨年1年間の実質GDPも1・1%増である。経済規模を表す名目値は、物価高を反映する形で4・5%増の662兆円超まで拡大した。

昨年は、深刻さを増す物価高やトランプ米政権の高関税政策などで経済環境が悪化した。その中でも通年でのプラス成長を確保できたことは大きい。

もちろん、今後を楽観できるわけではない。むしろ日本経済は、高市早苗政権の目指す「強さ」を取り戻せるかどうかの正念場だとみるべきだろう。成長型経済を実現するには、賃上げを起点にした経済の好循環が欠かせない。まずは春闘で、物価高に負けない賃金増を確実にできるかが企業に問われよう。

厚生労働省で開かれた中央最低賃金審議会の小委員会=2025年8月

10~12月期はプラス成長ながらも力強さに欠けた。節約志向のある個人消費は0・1%増にとどまった。設備投資は人手不足に対応した省力化投資が牽引したが、0・2%増では力不足である。輸出は自動車の減少などが響き0・3%減だった。

克服すべき課題は多い。トランプ関税に伴う経済の不確実性は日米合意で和らいだが、高関税が輸出の重しである構図に変わりはない。さらに懸念するのが中国による経済的威圧だ。観光業界から製造業まで、中国依存のリスクを直視し、対中事業を再構築する必要もあろう。

国内の課題は物価高だ。ガソリン税の暫定税率廃止などで負担が軽減され、足元では輸入物価の高騰につながる円安も反転傾向がみられる。ただ、財政悪化の懸念が市場で強まれば、円安や長期金利高騰のリスクは高まることになる。財政規律にも目を配ることが「責任ある積極財政」のあるべき姿だろう。

超党派の「国民会議」で議論し、夏前に中間とりまとめを行うという消費税の減税は試金石である。個人消費が底堅く推移する中で、飲食料品を課税対象から外す必然性や緊急性をどう捉えるのか。財源などの具体論を含めて、高市政権には納得のいく説明が求められる。

2026年2月17日付産経新聞【主張】を転載しています

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