中国に滞在する邦人数が昨年まで13年連続で減少した。日中関係の緊張は増しており、在留邦人の減少がさらに加速する可能性がある。
2YXPLUMZONOONNFVKLLTYAJ6GY

中国南西部の広西チワン族自治区の景勝地・桂林のクルーズ船乗り場。看板には英語、韓国語、ベトナム語の表記はあったが日本語はなかった=1月(三塚聖平撮影)

This post is also available in: English

中国で在留邦人の減少が止まらない。日本の外務省によると、中国に滞在する邦人数は昨年まで13年連続で減少した。在中日本企業が置かれた事業環境が変化していることに加え、日本人児童刺殺事件などを受けて安全上の懸念が広がっていることが要因とみられる。高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に中国政府が猛反発し日中関係の緊張は増しており、在留邦人の減少がさらに加速する可能性がある。

世界全体では6年ぶり在留邦人増

日本の外務省がまとめた「海外在留邦人数調査統計」によると、中国に3カ月以上滞在する日本人は昨年10月1日時点で9万2928人だった。前年比で4・7%減少し、2013年から13年連続となるマイナスを記録した。それに対し、世界の在留邦人数は0・39%増の129万8170人。新型コロナウイルス禍に見舞われた20年から減少が続いていたが、微増とはいえ6年ぶりのプラスとなった。

中国の在留邦人は12年には15万人の大台を上回っていた。それが12年9月の日本政府による尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化を受け、中国各地で反日デモが広がって日系スーパーなどが襲撃されたほか、日本人を標的にした暴行でけが人も出たことを機に減少に転じた。

中国の「内巻」に直面する日本企業

今も中国の在留邦人数の減少が止まらないのは、複合的な要因が存在していると指摘される。

1点目は、在中日本企業が置かれた競争環境が厳しくなっていることだ。近年、中国経済は不動産不況などを背景とした成長鈍化に見舞われている。加えて、電気自動車(EV)などの新興分野で中国企業が競争力を増している。日本企業を含む外資企業は優位性が相対的に低下し、中国勢が仕掛ける「内巻」と呼ばれる採算度外視の過当競争にさらされている。そうした中、中国市場に見切りをつける日本企業が少なくない。

この記事の続きを産経ニュースで読む

筆者:三塚聖平(産経新聞)

This post is also available in: English

コメントを残す