ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックの閉会式で入場する、旗手の(左から)小川亜希と小須田潤太=15日、イタリア・コルティナダンペッツォ(共同)
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ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックが閉幕した。掉尾(とうび)を飾るパラアイスホッケー決勝の米国―カナダ戦は1万1500人の観衆を集めて熱狂した。
閉会式の各国選手やボランティアの笑顔を見て、改めて思う。五輪やパラ大会を開催できる都市でありたい。これを支えられる国でありたい、と。
新型コロナ禍で五輪の歴史をつないだ東京大会は無観客で行われ、歓声のない競技に寂しさは否めなかった。札幌市はさまざまな理由から冬季大会の招致を断念した。なんとか態勢を立て直し、夏季、冬季とも大会の再招致を目指してほしい。

ミラノ大会で開催国イタリアのパラリンピアンは、金7個を含む16個のメダルを獲得した。大会の隆盛、成功に開催国選手の活躍は欠かせない。
今大会で日本選手団は海外開催の大会で最多の44人を派遣しながら、金0、銀3、銅1の4個のメダル獲得にとどまった。前回北京大会の金4個を含むメダル7個から激減し、金メダルなしはソルトレークシティー大会以来24年ぶりだった。
パラリンピックは競技大会であり、パラリンピアンはアスリートである。個々の選手の奮闘は称賛するが、選手団はこの結果を反省しなくてはならない。中国をはじめとする各国の競技レベルは急上昇している。
日本選手団の大日方邦子団長は金メダルなしの結果に「結果を真摯(しんし)に受け止めたい。海外勢が一枚上だった」と述べた。

今大会のアルペンスキー女子座位で銀2個の村岡桃佳は4大会、スノーボード男子で銀の小栗大地は3大会、アルペンスキー男子座位で銅の鈴木猛史は6大会目の出場だった。パラ競技は五輪競技以上に経験値や習熟度が重要視される。頼りになるベテランの知見を活かして若手を育成する必要がある。
また今大会のスノーボードや車いすカーリングは五輪競技のコーチを得て競技力を向上させていた。夏季パラ大会の競泳(視覚障害)のパリ大会金メダリスト、木村敬一が五輪連続メダルの星奈津美をコーチに頼んだ成功例も参考にしたい。
こうした縦横の連携、垣根を取り払うことに競技力の向上や新たな景色を生むことを期待したい。大会招致と選手強化の両輪こそが、パラスポーツの未来を明るくする。
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2026年3月17日付産経新聞【主張】を転載しています
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