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「インドで商売をして、いつまで血を流し続けなければならないのか」
数年前までインドの首都ニューデリーの特派員をしていて、日本人ビジネスマンからは、こんなぼやきをよく聞いた。
2007年に当時の安倍晋三首相がインド国会で、太平洋とインド洋の「二つの海の交わり」と題して演説し「強いインドは日本の利益であり、強い日本はインドの利益」と述べたことはインド人の心を打ち、ビジネスでもインドは中国に代わる進出先として注目を浴びてきた。しかし、その後も企業の利益は上がらず、NTTドコモや第一三共といった名だたる企業ですら挫折していった。
筆者:岩田智雄(産経新聞インド太平洋特派員)
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2024年5月20日付産経新聞【インド太平洋考】より