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Prime Minister Fumio Kishida announces his decision not to run in the next presidential election at a press conference on the morning of August 14 at the Prime Minister's Office. (Inside image ©Sankei by Ataru Haruna)

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EDITORIAL | As PM Kishida Steps Back, Successor Candidates Have Big Shoes to Fill

(主張|岸田首相が退くことで、後継の候補たちが重責を担う)

 

 

岸田文雄首相(67)が先日、9月に行われる自民党総裁選への不出馬を突如表明したことで、日本は一気に政治の季節に突入した。「政治とカネ」の問題で低い支持率に苦しんでいた岸田首相は「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことだ」と退陣の理由を述べた。

 

自民党が本当に変わり、国民の信頼を回復できるのかは、まだ注意深く見ていく必要がある。ただ、それ以上にいま大切なことは、次なる日本のリーダーが国益のために本質を見据えて行動できる人物かどうか、である。

 

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ侵略を正当化し核兵器による恫喝も辞さない。中国の習近平国家主席は、軍拡路線を邁進し、隙あらば沖縄県石垣市の尖閣諸島奪取をもくろむ。さらに北朝鮮の金正恩総書記は、国連決議を無視して核兵器と弾道ミサイルの開発を進める。日本は、これら3カ国に取り囲まれている。

 

しかも、3カ国はいずれも核兵器を保有し、他国の領土や資源、技術を奪うことをいとわない。海を隔てているとはいえ、そんな3カ国と対峙している先進国は日本だけだ。日本の新たな指導者がどんな人物で、何を優先事項と考えているのか。これら3カ国はもちろん、欧米やアジア諸国も日本の新たな指導者が誰になるのか注視している。

 

英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)は、日本の指導者が発するメッセージや政治の仕組み、日本の政界で語られているキーワードといった記事も世界に発信している。日本という国の理解を深める一助となってほしいと願ってのことだ。

 

上の英文(日本語訳)は15日付本紙の主張記事の見出しだ。英語の見出しは本紙の見出しとは異なるが、記事内容は同じである。

 

同記事にもあるように、岸田首相は「厳しい安全保障環境の中で、反撃能力保有や防衛費増額など防衛力の抜本的強化を決断した。安倍晋三元首相以来の安保政策の流れをさらに大きく前進させた」。

 

「安倍晋三元総理の志を継承する集い」に出席し、政治改革の必要性を訴える岸田文雄首相=7日午後、東京都千代田区(岩崎叶汰撮影)

 

その通りである。だが、同記事には、前回、本欄で書いた迫りくる尖閣諸島有事への対処法や、核兵器による威嚇にどう対応していくのかといった、もはや先送りにはできない問いに対する答えは論じられていない。

 

岸田首相は被爆地、広島が選挙区でもあり、日本の核武装や核抑止に関わる国会での議論を封じてきた。だが、日本が置かれた安全保障上の危機的状況に、重責を担う新たな候補たちは日本の防衛力をどのように高めようとしているのか、震災や天災に加え、少子高齢化が進む日本を、どう変革し前進させていくのか、候補者たちにはぜひ語ってほしい。

 

9月12日に告示、27日に投開票される自民党総裁選にはすでに10人以上が立候補を検討しており、乱戦が予想されている。誰が新たな総裁に選出されても、国民の信任を問う衆院選が年内にも実施される公算が大きい。11月には、世界が注視する米大統領選挙の投票が行われる。ほぼ時を同じくして日米両国に、新たな指導者が誕生する。

 

この2週間にどんな記事がJFで読まれたのか。お盆休みを襲った地震やパリ五輪、そして日本の調査捕鯨の妨害を行ったカナダ出身の反捕鯨団体創始者逮捕の記事である。

 

日本は、激動する世界で危機をどう乗り越え、どのように平和で安定した世界をつくろうとしているのか。JFは、候補者たちの声を通じて日本のメッセージを世界に届けていきたい。(JAPAN Forward編集長 内藤泰朗)=次回は9月30日掲載予定

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)

 

 

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2024年8月26日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

 

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