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The Life of Rocket Pioneer Hideo Itokawa: Successful People Fail at First

 

(日本ロケット開発の父、故糸川英夫博士の人生:成功者は最初に失敗をする)

 

 

春は転機をもたらす季節である。枯れ枝に薄ピンクの桜の花が咲き誇っていたかと思うと、新緑が目に飛び込んでくる。新型コロナ禍で止まっていた人の活動は再開した。人の心もそれに合わせて変化する。自然界の「魔法」には、驚嘆させられるばかりだ。

 

世界では、各国首脳らによる外交が活発になっている。岸田文雄首相は3月21日、滞在先のインドからウクライナのキーウを電撃訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。中国の習近平国家主席がロシアのプーチン大統領と会談するためモスクワを訪問している最中の出来事である。

 

「戦争」から目を避けてきたひと昔前の日本ではとても考えられないことだ。ロシアのウクライナ侵略戦争にいつ転機が訪れるか。残念ながら、いまだ見通しが立たない。だが、この戦争が世界、そして日本の形を変えつつあることは、もはや疑う余地はない。

 

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記者会見の冒頭、握手する岸田首相(左)とウクライナのゼレンスキー大統領=3月21日、キーウ(共同)

 

英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)は、桜の花に関する文化の話題から国際政治や日本国内の変化、さらには、なぜ戦争は起こるのか、といった根源的な問題まで、日本の視点で世界に連日発信している。

 

最近気になるのは、日本の科学技術の凋落(ちょうらく)を思わせるような「失敗」のニュースが相次いでいる点だ。3月7日には、次世代大型ロケット「H3」初号機の打ち上げが失敗したほか、それに先立つ昨年11月には、日本初の月面着陸を目指していた超小型探査機「オモテナシ」も、月面着陸への挑戦を断念した。

 

三菱重工業が国産初のジェット旅客機「スペースジェット」の開発を断念し、事業から撤退することを決めたニュースもあった。

 

だが、めげていてはいけない。日本ロケット開発の父、故糸川英夫博士にも失敗は付きまとった。そんな糸川博士が残した名言がある。「人生で大切なのは失敗の歴史」だ。

 

上の英文(日本語訳)は、糸川博士の人生を振り返り、打ち上げ成功に向けてH3スタッフの再奮起を願った産経抄(3月9日)の英語記事(同15日掲載)につけた見出しだ。

 

糸川英夫博士が開発したカッパ・ロケット(ウィキペディアより)

 

恥ずかしながら、JF編集長である私(内藤泰朗)も実に多くの失敗の山を築いてきた。今年初め、母校の国際基督教大学高等学校で、在校生(1、2年生)を前に話す機会を与えられた。テーマは「世界を知る。日本を考える」。ビックリするほど悪い成績や大学受験での失敗…。そんな私自身の数えきれない赤裸々な失敗談のほんの一部分を紹介した。

 

失敗だけを強調するものではなかったが、学校側でまとめてくださった160人以上に及ぶ生徒たち一人一人の感想を読みながら、「失敗」の重要性を改めて認識させられた。

 

「どんな経験をしても、その経験が必ず未来の自分を作っていく、という言葉が心に残りました」「失敗はしてもいいという言葉にハッとさせられました」「外国人に日本のことを聞かれても答えられなかった経験をしました。日本のことをもっと学びたい」…。自分たちの未来を見つめる若者たちとの交流は、実に楽しかった。これからも続けていきたい。

 

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国際基督教大学高等学校で講演する内藤JAPAN Forward編集長(© 国際基督教大学高等学校)

 

JFは、オンリーワンのメディアづくりを目指し、これからも失敗を恐れずに挑戦していく。若者たちには、失敗の中に学びがあること、失敗は実は成功へのカギであることを伝えていきたい。

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)

 

 

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2023年4月10日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

 

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