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日本国内外でホテル、旅館施設を運営する星野リゾートは、2023年7月31日、東京・浅草に「OMO3 浅草 by 星野リゾート」を開業した。星野リゾートは5つのホテル、旅館ブランドを展開しているが、「OMO」ブランドは、都市部の「街ナカ」でホテル周辺の街を楽しむコンセプトのホテルだ。今回の「OMO3 浅草」は「OMO」ブランドとして国内15番目の開業になる。
人気観光地での差別化
東京都内では、2021年開催の東京オリンピック後も中規模のブティックホテルなど宿泊施設の新規開業が続いている。中でも浅草は通年でイベントも多く、国内外の観光客が大勢訪れる人気スポットだ。
「OMO3 浅草」は、江戸情緒を随所に残す街、浅草を身近に楽しむベースとして満喫できるような体験を提供するようホテルスタッフが演出してくれる。ホテル館内の至る所からは浅草寺や東京スカイツリーが望める。客室は8タイプ、全98室が用意されている。中でも「寄席ツインルーム」は浅草の娯楽のシンボル「寄席・落語」をコンセプトにした雰囲気、座布団を演出した部屋になっている。
ホテルをベースに街を散策
「OMO」の特徴として、ホテルスタッフの「OMOレンジャー」がホテル周辺の情報を収集して提供してくれるサービスがある。宿泊客はその情報を元に外食を楽しんだり、早朝の浅草散歩ツアーに参加もできる。また、宿泊客は浅草の娯楽を代表する「落語」をホテルのラウンジで聴くこともできる。
ホテル最上階のラウンジ「OMOベース」には、24時間利用できる飲食のセルフレジサービスもある。浅草の地元の商品が集められている。
訪日客数は回復
「OMO3 浅草」の三澤咲香総支配人は「宿泊客の5割はインバウンドの外国人客を想定している。」と語り、「今後は日本語、英語、中国語、韓国語などでのスタッフ対応も検討している。」と多言語でのサービス発展の可能性も示唆した。
日本政府観光局(JNTO)によると、2023年6月の訪日外国人数は207万3300人(推計値)で、新型コロナ感染症前の2019年の6月に比べて72%の回復、新型コロナ感染拡大の2020年2月以降で初めて200万人を突破した。2023年の上半期では訪日客が1000万人を超えた。地域別では中国を除く東アジアや米国、欧州、オーストラリアからの訪日客が増えている。
筆者:海藤秀満(JAPAN Forwardマネージャー)