Tokyo 2020 Kosei Inoue Judo

~~

 

Japan Forward 読者の皆さん、こんにちは。11月も半ばを過ぎ、私の住む日本の関東地方では木々が色づき、晩秋の気配が色濃く漂っています。日本では、今月は新型コロナウイルスの影響により、春から延期になっていた柔道の全国大会が次々に開催されており、関係者は大忙しの毎日を送っています。

 

私は、9月30日をもってナショナルチームの監督を退任し、10月1日から全日本柔道連盟で新たな役職について活動を始めています。

 

 

一つは選手強化委員会の男女統括副委員長です。主な仕事は、監督としての経験を生かしながら、女子チーム監督の増地克之(MASUCHI, Katsuyuki)氏と、男子チームの監督に新たに就任した鈴木桂治(SUZUKI,Keiji)氏をサポートすることです。

 

増地監督は選手の個性を伸ばす優れた指導者で、その手腕は高く評価されています。鈴木監督は、選手時代に、オリンピック、世界選手権、全日本柔道選手権の3つの大会で優勝し、その名を世界にとどろかせた柔道家です。

 

東京五輪では、懸命に試合をする選手の姿から、勇気や希望をもらったというお声をたくさんいただきました。

 

 

パリ五輪でも、世界中の皆さんにそのようなに感じてもらえるよう、私はこの二人の監督を支え、日本柔道と柔道の発展に力を尽くしていきたいと考えています。

 

もう一つ、新たに就いた役職は、ブランディング戦略推進特別委員会(The strategy and branding committee )の委員長です。

 

この委員会では、選手強化から少し離れて、柔道の普及と発展のため、デジタル化の推進や新たな柔道の魅力発信の活動をしていきたいと考えています。

 

そろって金メダリストとなった阿部兄妹

 

現代において、スポーツを取り巻く環境は大きく変化しています。東京五輪でも話題となりましたが、スケートボードや自転車競技(BMXレーシング)、スポーツクライミングなどのアーバンスポーツが人気を集めています。

 

これらは従来の五輪スポーツにあるイメージとは異なり、より開放的で、気軽で身近な雰囲気を感じさせるところに魅力があり、とくに若者から支持されています。

 

また、最近は世界的にEスポーツ(Electronic sports)の人気も爆発しています。

 

 

IOCは、今年5月〜6月、オリンピック・バーチャルシリーズ(Olympic Virtual Series)として初めてとなるEスポーツの大会を主催しましたし、2022年のアジア競技大会(19th Asian Games Hangzhou 2022)でもEスポーツが正式競技として行われます。

 

このようにスポーツの楽しみ方や考え方はどんどん変化しています。こうした変化に柔道もしっかり対応していかなければなりません。

 

柔道修行の目的は柔道通じた社会貢献にあります。柔道が現代社会で何ができるのか、どのような役割があるのかを再検討し、伝統と歴史を大切にしながら、世界中にその価値を発信していきたいと考えています。

 

さて、2021年の私の寄稿は今月が最後となりました。Covid-19の影響により、未だ我慢の続く毎日です。

 

新しい年にはこの事態が一日も早く終息に向かい、新しい世界観のもと、いきいきと活力ある毎日となることを期待しています。2022年も柔道を応援していただけるよう頑張っていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

筆者:井上康生

 

 

この記事の英文記事を読む

 

これまでの井上康生氏の記事

 

 

コメントを残す