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【主張】ミャンマー情勢 軍はただちに兵舎へ帰れ

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ミャンマー国軍が2月1日、クーデターを起こした。アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相ら、与党国民民主連盟(NLD)幹部を拘束し、非常事態を宣言した。

 

昨年11月の総選挙後初めての議会が1日に招集され、第2次NLD政権が発足するはずだったのを阻んだ。総選挙ではNLDが大勝していた。

 

選挙結果を無視した力ずくの権力奪取は絶対に認められない。軍はただちにスー・チー氏らを解放し政治から手を引くべきだ。

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ミャンマーは5年前、半世紀以上続いた軍の政治支配から転換し民主化の道を歩み始めた。日本や欧米諸国はスー・チー氏率いるNLD政権を支援し、企業は「アジア最後のフロンティア」としてミャンマー進出に動いていた。

 

クーデターはこうした内外の期待を裏切り、民主化に向けた努力を台無しにする。軍事政権の復活はもってのほかだ。

 

1990年の総選挙でもNLDが大勝したが、軍は結果を受け入れずに政権に居座り、国際的に大きな非難を浴び、孤立が深まった。30年を経て同じ愚行を繰り返すとは信じられない。

 

これはミャンマー一国の問題にとどまらない。強権行使や人権弾圧を不問とする中国は経済力、軍事力を背景に各地で影響力を広げようとしている。

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中国はこれを機にミャンマーへ接近しかねない。中国にとりミャンマーはインド洋の出入り口となる。日本が重視する「自由で開かれたインド太平洋」にとって、ミャンマーが中国の影響下に入ることは望ましくない。民主主義が強権主義の前に危機にさらされているとの認識が必要である。

 

茂木敏充外相は談話で「民主化プロセスが損なわれる事態が生じていることに対し、重大な懸念を有している」と表明し、ミャンマー国軍に対してスー・チー氏ら関係者の解放と民主的な政治体制の早期回復を強く求めた。

 

日本の東南アジア外交は、人権問題などで欧米諸国ほど厳格な姿勢をとってこなかった。

 

問題のある国を突き放して中国に取り込まれてはいけないとの思惑があった。だがそれは、当たり障りのない態度で接することではあるまい。政府は外相談話で求めたスー・チー氏らの解放と民主的な体制の早期回復の実現に向け、全力を尽くすべきである。

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2021年2月2日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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