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新感覚備えた新庄監督、次代の「タレント」育成を

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新約聖書にお金にまつわる話がある。旅に出る主人が3人の下僕を集め、能力に応じAに5タラント、Bに2タラント、Cに1タラントの財産を預けた。1タラントは労働者の日当6千日分に相当する大金である。

 

AとBは才覚を働かせて財産を倍にし、Cはお金を土に埋めて帰りを待った。旅から戻った主人は、一銭も手を付けなかったCの律義さより理財に知恵を絞った2人を褒めている。貨幣単位のタラントが後に「才能・技量」の意味を持つのは、この話の影響という。

 

お察しの通り、「タレント」の語源である。日本ではテレビなどで活躍する芸能人をそう呼んでいる。弁舌と立ち回りの機転で場を盛り上げ、笑いを取る腕はなるほど「才能」に違いない。いま話題の的となっているその人については、見方の割れるところだろう。

 

「芸能人」的な華やかさを買われたか、低迷久しい球団を立て直す「技量」を買われたか。唐突に名前が浮上した人事の経緯に、身なりも発言も破調というほかない就任会見に、あっけに取られたプロ野球ファンは多かろう。新庄剛志氏が日本ハム監督に就任した。

 

会見では「優勝なんか一切目指しません」「僕が監督像を変えていく」と名答、迷答を重ねた。チームづくりの方針を問われていわく「投手3人、野手4人のタレントを作れば楽しいチームになる。強くもなる」。堅苦しさとは無縁の新感覚を備えた新監督だろう。

 

花も実もある次代の「タレント」を育ててほしいものである。さて、本気と冗句の境が見分けづらい言動への風当たりは大丈夫か。現役時代は打席から遠く外れた敬遠球を、サヨナラ安打にした人のこと。内角を容赦なく攻めてくるであろう批評の声は、望むところかもしれない。

 

 

2021年11月7日付産経新聞【産経抄】を転載しています

 

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