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韓国の国際感覚不足を嘆く

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韓国が秋美愛(チュ・ミエ)法相の息子の“兵役疑惑”で大揺れしている。

 

政権の要人の息子が軍隊生活の際、親のおかげで休暇などで特別待遇を受けていたというスキャンダル話だが、韓国では兵役と入試をめぐる特権層の“不正”は世論を最も刺激する。文在寅(ムン・ジェイン)政権は防戦に追われ、兵役問題ということで法相とは別に国防相も追及の矢面に立たされている。

 

秋美愛(チュ・ミエ)法相

 

その国防相が国会答弁の時、手にしたメモの写真が新聞に掲載されていたが、写真にはメモと一緒にボールペンが小さく写っていた(16日付、中央日報)。そのボールペンが日本製の三菱ボールペンだった。

 

なぜそんなことが気になったかというと昨年の今ごろ、同じように娘の“入試疑惑”で世論の追及を受けていた政権要人のチョ・グク法相が、記者会見で手にしていたのが日本製ボールペンとわかり問題になったからだ。

 

文政権は昨年もこの法相疑惑で政治的窮地に陥っている。最後は法相辞任で何とか乗り切ったが、この時の難局脱出には、日本による対韓輸出管理厳格化に対抗する日本製品不買運動など官民挙げての反日キャンペーンが一役買っている。

 

This sign in a July 9, 2019, photo, at a store in Seoul, South Korea read: “We don’t sell Japanese products.” (AP Photo /Ahn Young-joon)

 

当時、「ジャパン・ボイコット」「アベ・ノー」のスローガンは「法相を守れ」と主張する政権支持派の集会で目立ち、政権批判の集会では「文政権の反日扇動にだまされるな」のスローガンが見られた。

 

今回、国防相自身は自分が使っているのが日本製ボールペンとは知らなかったはずだ。事務方で準備したものを使ったということだろう。しかしそれでいいのだ。韓国では日本製ボールペンはすべりのよさなど使いやすさで人気がある。ボールペン1本で愛国心や民族感情を持ち出すことはない。

 

昨年、官民挙げて展開された反日不買運動については「あれは選択的不買だった」という、さる韓国メディアの総括が最も腑(ふ)に落ちたが、代替品がないものは不買の対象にならなかったというわけだ。それはそうだろう。

 

あらためて振り返れば、今、世界で外交的対立を理由に相手国に対し、日用品から海外旅行まで官民挙げてボイコット運動を扇動し展開する国は数少ない。韓流だKポップだアカデミー賞だ…あるいは「サムスン」だ「ヒュンダイ」だ…といって自身の海外進出&発展を誇りながら、一方で日本製品ボイコットとはいかにもケチくさい。

 

韓国は日本相手となると自らの国際的な存在感や国の品格を忘れ、いじけてしまうところがある。長年付き合ってきたが、韓国の教育やメディアは旧態依然のお手軽(?)な反日愛国よりも、過去ではなく「世界の中の韓国」という現実に見合った国際感覚をもっと広げてほしいとつくづく思う。

 

代替品といえば、韓国人にとって今や誰でも出かける海外旅行において「近くて安くて短期間で満足度が高い」という日本旅行に替わるものがない。コロナ禍ということもあるが、このところ街では日本観光再開への期待の声をよく聞く。月末から秋夕(中秋節)の大連休がやってくるが、韓国人もいいかげんストレスがたまっているようだ。

 

筆者:黒田勝弘(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)

 

 

2020年9月20日付産経新聞【から(韓)くに便り】を転載しています

 

この記事の英文記事を読む

 

 

Katsuhiro Kuroda is a visiting editorial writer in Seoul for the Sankei Shimbun.

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