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五輪の舞台で「日本」を発信 伝統芸能、被災地復興、共生社会実現

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東京五輪開催まであと半年。五輪はスポーツだけでなく、アーティストらが華々しく活躍する文化芸術の祭典。東京大会では主に「日本の伝統芸能披露」「東日本大震災の復興アピール」「地球規模課題のメッセージ発信」の3つのテーマに沿った多彩なイベントが計画されている。創出された文化プログラムの多くが五輪のレガシー(遺産)として、その後も継続されている2012年ロンドン大会にならい、日本の文化芸術の力を結集した取り組みが模索されている。

 

スポーツの祭典として注目を浴びる五輪だが、「スポーツ、文化、教育の融合」を掲げる五輪憲章では大会期間中に、文化プログラムを実施することが義務付けられている。

 

近年の大会では開催規模は長期・大規模化。ロンドン大会で行われた「アンリミテッドプロジェクト」では、演者の車いすの女性が水中パフォーマンスを披露し、共生社会実現に向け、障害者の表現の可能性を広げたとして評価された。

 

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ロンドン大会の成功に続こうと、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に、東京からも地球規模の課題に向けた前向きなメッセージを発信しようとしている。

 

東京芸術大美術学部長の日比野克彦教授(61)が監修、都主催のアートプロジェクト「TURN」では、家庭にさまざまな問題を抱え「子ども食堂」を利用する子供たちに、食堂の壁に壁画を描いてもらうプロジェクトをすでに実施した。今夏も芸術家らが障害者や高齢者らとの交流を通じて表現活動を行うプロジェクトを計画している。

 

日比野教授は「個性を認め合うアートの視点で、異なる背景の人同士が関われば、『他人事』も『自分事』へと変わり、その集積が地球規模の課題解決につながる」と企画の意義を述べる。

 

一方、「東北復興」をテーマにしたプログラムではプロデューサーに福島生まれで、東京芸大美術学部の箭内(やない)道彦教授(55)を起用。地元の子供たちが創作に加わった巨大人形「モッコ」が東北各地をまわり、東日本大震災からの復興への思いを収集し、東京に届ける。

 

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「伝統芸能の披露」としては4月に東京体育館(渋谷区)で、歌舞伎とオペラを融合した「KABUKI×OPERA『光の王』」を開催。市川海老蔵さんとイタリア出身の世界的オペラ歌手、アンナ・ピロッツィさんらの共演が注目を集めている。

 

文化庁主催では国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された沖縄の伝統芸能「組踊(くみおどり)」の公演が3月に沖縄県で開催。アイヌ文化の魅力発信を目指し、4月に北海道白老町に開館する複合施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を拠点にしたプロジェクトも実施される。

 

五輪開催を前に、文化庁の担当者は「日本の文化を戦略的かつ積極的に発信し、文化芸術を通じた相互理解を図りたい。(文化プログラムの開催は)観光振興の絶好のチャンスと考えている」と話している。

 

筆者:植木裕香子(産経新聞)

 

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