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産業遺産情報センターは韓国の「反日」と闘う情報基地 「軍艦島は地獄島ではない」

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世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を紹介する展示施設「産業遺産情報センター」(東京都新宿区)がまもなく一般公開の開始から1年を迎える。世界遺産登録時に韓国が端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)について「多くの朝鮮人が強制連行で犠牲になった」と反発し、その対応策として設立された経緯があり、徴用工問題で韓国発の「反日」と闘う最前線に立ってきた。「歴史は根拠を求める」との加藤康子センター長の信念で始まった軍艦島元島民の証言収録など、収集1次資料は10万件を超えた。情報センターは日韓「歴史戦」の基地になりつつある。

 

産業遺産情報センター

 

反日と闘う最前線

 

平成27(2015)年の世界遺産登録から6年、産業遺産情報センターは現在も韓国政府の攻撃対象だ。

 

昨年6月中旬の一般公開開始から約1週間後、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相(当時)は国連教育科学文化機関(ユネスコ)のアズレ事務局長に書簡を送り、情報センターは「旧朝鮮半島出身者に対する説明が不十分」だとして、登録取り消しの検討を要求。世界遺産委員会で日本側に対応を促すことも求めた。昨年の委員会は新型コロナウイルスの影響で延期され、今夏にオンラインでの開催が予定されている。

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これに先立ち、ユネスコは韓国の要請を受け、日本との協議の上で情報センターに査察官を派遣する予定だ。加藤氏は「正確な情報で判断してもらえばいい。見解が(日韓)両サイドで全く違うこともあるだろうが、われわれは主権国家。歴史をどう判断するかは日本の主権の問題だ」と話す。

 

端島炭坑に関する展示には「強制連行」説を日韓に広めた在日朝鮮人学者、朴慶植(パク・キョンシク)の著作などもある。一方、端島炭坑の元島民らが語る「軍艦島の真実」の声や資料が、韓国の主張を圧倒している。

 

加藤氏は世界の産業遺産を研究してきたこの分野の第一人者で、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録を推進した。産業遺産は幕末の1850(嘉永3)年から1910(明治43)年が対象で、日本統治下の朝鮮半島での徴用(1940年代)は実は対象外。だが1890(明治23)年に三菱鉱業の炭鉱島となった端島の世界遺産入りで、情報センターが歴史戦の現場に立つことになった。

 

「(登録後)この約6年間というもの、ありとあらゆる1次資料を集め、元島民証言などを日本語、英語、韓国語で発信してきた。韓国人が(反日)運動の中で形成してきた歴史認識には事実誤認がある。われわれはそれを否定するより、まずは1次資料をもって発信することが重要だと考えている」

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韓国メディアはこの間、情報センターや母体の一般財団法人、産業遺産国民会議を「日本の保守団体のフロント組織」などと決めつけ、加藤氏をその代表と名指して批判してきた。

 

情報センターで公開中の軍艦島資料は文書・写真が1300点だが、開館以来、一般人、企業などからの資料提供が相次ぎ、すでに10万件を超えている。朝鮮半島関連の資料が多く「歴史の闇を照らす原資料が集まっている」という。

 

 

NHK「緑なき島」の映像捏造疑惑を暴いた

 

端島炭坑を扱った昭和30年のNHKドキュメンタリー「緑なき島」で、一部に端島ではない別の炭鉱の映像が使われていた「捏造(ねつぞう)」疑惑は、情報センターが元島民の証言を元に検証したことで明るみに出た。

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軍艦島を有名にしたのは、狭い坑内でフンドシ姿で採炭する炭鉱労働者の映像だ。この映像は「朝鮮半島出身者の地獄島での過酷な労働」として韓国のテレビ各局が使い、韓国・釜山の「国立日帝強制動員歴史館」にも展示され、徴用工のシンボルともなった。

 

加藤氏が「緑なき島」を知ったのは偶然だったという。戦時中の炭鉱に詳しいカメラマンから「緑なき島」のことを聞き、上映会を催したところ、元島民が炭鉱のシーンは「誰が見ても端島ではない」と言い出した。坑内の様子が端島とは全く異なった。炭層の高さが異なり、映像の炭鉱労働者は現場で全員が着けるはずのキャップランプ(頭に着ける照明灯)を着けていなかった。端島では全員が作業着だったが、映像はフンドシ一丁だった。これらは全て当時の「保安規定違反」だった。

 

炭鉱のシーンは、ガスが濃く危険な端島炭坑で撮影できず、別の炭鉱の映像が使われた可能性があった。しかし、「緑なき島」の裸同然で働く炭鉱労働者の姿は、端島炭坑こそが朝鮮半島出身の「徴用工の地獄島」だという印象を世界に広める元になった。

 

昨年11月20日、元島民の「真実の歴史を追求する端島島民の会」がNHKに抗議書兼要求書を提出。「いかに事実と異なるか」を指摘し、徹底的な調査と事実公表、訂正報道を求めた。しかし、NHKは「ご指摘のような別の炭鉱で撮影された映像が使用されたという事実は確認されなかった」と否定。今春から国会で青山繁晴、山田宏両参院議員が相次いで質問したことで、NHKはようやく前田晃伸会長が「自主的、自発的、自律的に確認作業を行う」と検証を約束したが、その作業に元島民を加えることを拒んだ。

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加藤氏は「韓国には徴用工を戦時捕虜だとする極論もある。南ドイツ新聞は『(端島で)1000人が閉じ込められて爆殺された』とまで書いた。そのイメージを作ったNHKには責任がある。私たちはNHKに国民への謝罪を求めている」と話す。

 

 

研究書シリーズ第1弾

 

産業遺産国民会議は3月末、研究書シリーズの第1弾「朝鮮人戦時労働の実態」を発刊した。編集長は徴用工問題に詳しい西岡力麗澤大学客員教授で、執筆陣は西岡氏と歴史学者2人、法律家2人だ。西岡氏は「歴史的事実として徴用工とは何だったのか。戦後どう処理されたのか。また2018年10月に韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償命令判決を出すが、この判決はどこが問題で、なぜ出たのか。徴用工問題の全体がわかる研究書に構成した」と解説する。

 

同書で戦後の徴用工問題に関する研究書を分析した勝岡寛次氏によると、徴用工に関する論文や文献など1357点のうち、徴用工を「強制連行」「強制労働」ではないとする立場の文献は109点で、圧倒的に「強制連行」説が多いという。戦後の朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)が組織的に「強制連行」説を広めた影響が大きいとみられている。

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加藤氏は研究書シリーズを出す意義について、「歴史は根拠を求めていくもの。研究者が育っていけば変わっていくものがある。センターの資料を使い研究できるようにするのは私の務めだと思っている」と話す。こうした検証はまだ始まったばかりだ。

 

筆者:久保田るり子(産経新聞編集委員)

 

 

2021年5月30日付産経新聞【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】を転載しています

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