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【主張】中露が拒否権行使 北を焚き付け平和乱すな

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大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁強化決議案が、理事国15カ国中13カ国が賛成票を投じた中で、常任理事国中国、ロシアの拒否権行使によって葬り去られた。

 

北朝鮮への制裁決議が採択された2006年以降、対北制裁決議案が拒否権行使で否決されたのは初めてだ。核・ミサイルを振りかざして平和を乱す北朝鮮を後押ししたも同然の中露両国に、常任理事国の座を占める資格はない。

 

松野博一官房長官は記者会見で「(決議案が)拒否権行使で否決されたのは極めて残念だ」と述べ、国際社会の平和や安全を維持するという安保理本来の役割を果たすよう求めた。

 

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否決が残念なのはその通りだが、松野氏や日本政府は、もっとはっきりと中露両国を指弾しなければだめだ。

 

国連安保理で中国の張軍国連大使(右)と話し合うロシアのネベンジャ国連大使=ニューヨーク=2月23日(ロイター)

 

北朝鮮の核・ミサイルは日本や世界にとって脅威である。06~17年までの対北決議はすべて全会一致で採択された。核・弾道ミサイルの放棄を求め、ヒト・モノ・カネの流れを縛る厳しい制裁を実現させた。

 

17年の決議は、北朝鮮が核実験やICBM発射を行えば、安保理自身がさらなる対北石油輸出の制限へ動くと定めていた。にもかかわらず中露は、3月のミサイル発射後は非難声明の発表さえ拒み、今回は新決議案に拒否権を行使した。中露の国連大使は新決議案は「対立激化を招く」「人道的に危険だ」と主張した。

 

だが、なけなしのカネを核・ミサイル開発ばかりにつぎ込み、核実験やミサイル発射を繰り返して緊張を高めてきたのは北朝鮮のほうではないか。

 

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北朝鮮は7度目の核実験を行う構えを見せている。中露の拒否権行使が北朝鮮を焚(た)き付け、新たな暴挙を呼ぶ恐れがある。

 

23日の日米首脳会談に続いて、日米豪印の「クアッド」首脳会合が開かれた24日、中露の爆撃機が編隊を組んで日本海から沖縄、米領グアム方面へ共同飛行した。日米豪印の民主主義国に対するあからさまな軍事的威嚇であり、容認できない。

 

国連安保理はロシアのウクライナ侵略にも対応できず、無力さを露呈し続けている。日本は安保理に過度の期待を寄せずに安全保障を確保していくしかない。

 

 

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2022年5月28日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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