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ウクライナ穀物輸出、G7が代替ルート確保へ 露の封鎖回避

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ウクライナ南東部マリウポリの港にある穀物の貯蔵タンク
=5月30日(タス=共同)

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ロシアによる黒海の港湾封鎖に伴いウクライナの穀物輸出が滞っている問題を受け、今月下旬にドイツで開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、日本政府がG7とともにルーマニアを経由する代替輸出ルートの確保に向けた支援を検討していることが分かった。食料危機にひんしている中東・アフリカ諸国への支援も検討しており、成果文書に盛り込む方向で調整している。政府関係者が9日、明らかにした。

 

 

ウクライナは小麦やトウモロコシなどの生産が盛んで、「欧州の穀物庫」と呼ばれる。ウクライナからの輸出は、南部オデッサ港からトルコのボスポラス海峡を通るのが主要ルートだが、ロシアによる海上封鎖や機雷敷設の影響で2000万トン以上の穀物がウクライナ国内に滞留、世界的な穀物不足と価格高騰につながっている。

 

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ウクライナの農家=2022年6月9日(ロイター)

 

ロシアのプーチン大統領はウクライナの輸出円滑化に協力する考えを示すが、対露制裁の解除を条件としているため、欧米諸国は反発。海上封鎖が解除されたとしてもロシア軍が設置した機雷の除去に半年程度かかるとみられ、問題が長期化する可能性がある。

 

世界食糧計画(WFP)は「ウクライナの穀物サイロ(貯蔵庫)が満杯だ。同時に、世界中で4400万人が餓死に近づいている」と強い懸念を示す。特に輸入小麦への依存度が高い中東・アフリカ諸国への打撃が大きく、供給不足が長引けば政情不安を引き起こす懸念もある。

 

こうした事態を受け、今月下旬のG7サミットでは食料安全保障を主要テーマに設定。ウクライナ国内で破壊された関連インフラの復旧や貯蔵庫増設に向けた支援を打ち出す方向だ。「食料のための人道通行」の実現を提唱し、ロシアにも参加を呼び掛ける方針。

 

砲撃で損傷した倉庫でヒマワリの種を詰め込む=2022年6月9日、ウクライナ東部(AP)

 

また、欧州連合(EU)がウクライナ産穀物を鉄道などで隣国のルーマニアに運んで輸出する取り組みを加速させる中、G7としても円滑な輸送を可能にするための支援を行う。ウクライナの鉄道は線路幅がルーマニアなどのEU加盟国と異なるため、国境で車両を替えたり、荷物を積み換えたりする必要がある。

 

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日本政府は、中東・アフリカ諸国に対し、国連機関などを通じて食料支援を実施することも検討。岸田文雄首相は5月31日の参院予算委員会で「ヨーロッパや現地でのさまざまな取り組みを注視した上で、わが国の貢献の在り方を考えていきたい」と述べている。

 

 

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