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「ビーガン」おいしく楽しんで アイスダンス北京五輪代表・小松原美里さん

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トーストには野菜がたっぷり。ビーガン用のクリームチーズを使うこともある
(小松原美里さん提供)

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肉や魚、卵などの動物性食品を取らない「ビーガン(完全菜食主義者)」というライフスタイルを選択する人が増えている。今年2月の北京冬季五輪に出場し、フィギュアスケート団体で銅メダルを獲得したアイスダンス選手、小松原美里さん(29)もその一人。国内でも広がりつつあるものの、まだ理解が得られない場面もあるといい、美里さんは「ビーガンというスタイルを多くの人に知ってほしい」と話す。

 

インタビュー後にポーズをとるフィギュアスケート選手の小松原美里さん(左)と小松原尊さん(松井英幸撮影)

 

美里さんがビーガンになったきっかけは約5年前、子宮の近くに腫瘍ができたことだった。イタリアを拠点に競技生活を送っていた当時、医師から「飛行機で日本に戻ると破裂する可能性がある」と言われ、イタリアでの手術を余儀なくされた。

 

「さすがに怖いな、と」。ピザやパスタ、サラミやチーズなどを多く摂取していた食生活を見直し、その頃、イタリアで広まり始めていたビーガンに挑戦した。

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大豆ミートを活用

 

肌荒れや便秘が改善され、競技面でも疲れにくくなったことを実感。9歳からフィギュアスケートを始め、厳しい体重管理に苦労してきたが、ビーガンは「自分の体に合っている」と以降、続けている。

 

ビーガンになじみのない人から、「おいしくないのでは?」「野菜しか食べないの?」と聞かれることも多いという。食生活は米やオートミール、野菜、果物が中心だが、美里さんは〝ビーガングルメ〟を楽しむ。牛、豚、鶏に続く〝第4の肉〟として注目されている「大豆ミート」を活用したすき焼きや、パンプキンパイなどのスイーツも自宅で手作りする。

 

アイスダンスでカップルを組み、夫でもある小松原尊さん(30)はビーガンではないが、美里さんの食生活に理解を示す。大豆ミートを初めて食べたときは舌触りが違うと多少の抵抗感はあったが、「味はおいしい。今は食卓に並ぶビーガン料理をパクパク食べる」と笑う。

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海外での活動が多いが、帰国時にビーガンレストランを巡るのも2人の趣味。国内でも提供する飲食店が増えており、農林水産省はビーガン料理などを提供する飲食店や加工食品を対象にした認証制度の整備を進めている。

 

小松原美里さんが手作りしたビーガン料理のボルシチ。牛肉ではなく、大豆ミートを使う(本人提供)

 

ビーガンには食事だけでなく、身につけるものでも動物性の素材を避けようとするポリシーもある。そのため、一般的に動物の皮で作られているスケート靴でも、美里さんは合成皮革の「ビーガンレザー」のものを選ぶ。革のスケート靴に比べて軽いが、強度に問題はないという。昨年、カナダの会社で開発され、美里さんはその靴で銅メダルを獲得した。

 

 

日本食となじむ

 

ビーガンのアスリートは美里さんだけではない。元パラリンピック競泳の一ノ瀬メイさんもビーガンを公言している。菜食を中心とした食生活を送るアスリートは増えているという。

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日本には古くから、動物性の食材を使わない「精進料理」が根付いている。また、豆腐やみそ、しょうゆなども、時代を経て日本の食卓を支えてきた。「日本食とビーガンはなじみやすいのではないか」と美里さんは話す。

 

美里さんはビーガンという食生活への理解が広まってほしいと訴える。「一度、おいしいビーガン料理店に行ってみるのも良いと思います」と語った。

 

筆者:浅上あゆみ(産経新聞)

 

 

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