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台湾「一国二制度」信用できぬ 香港出身者も批判

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7月1日、英国から中国へ返還されて年を記念する香港の式典で、
香港政府の幹部から就任宣誓を受ける中国の習近平国家主席(右端)と
李家超・新香港行政長官(右から2人目)=AP

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「一国二制度は素晴らしい制度で変える理由は何もない。長期にわたって堅持すべきだ」。1日の香港返還25年式典で中国の習近平国家主席はこう述べ、国家安全維持法(国安法)が施行された今でも、香港では「一国二制度」が維持されているとの考えを示した。この習氏の発言が台湾でさっそく波紋を広げている。

 

台湾の蘇貞昌・行政院長(首相に相当)は習氏の発言直後、記者団に「香港が返還された当時、『暮らしは50年間変わらない』と(中国は)市民に約束したのに、25年で自由も民主主義も消えてなくなった」と指摘。その上で「私たちは台湾の主権、自由、民主主義を守っていく。中国のいわゆる一国二制度は信用できない」と述べた。

 

A resident walks besides the Chinese and Hong Kong flags hanging from a residential building to celebrate the 25th anniversary of Hong Kong handover to China, at a public housing estate, in Hong Kong, Saturday, June 25, 2022. (AP Photo/Kin Cheung)

 

一国二制度はそもそも、中国政府が1970年代末、台湾問題を平和的に解決するために提案した。「高度な自治」などを保証する内容で、97年に英国から返還された香港で初めてこの制度が導入された。しかし近年、中国は香港の内政への干渉を強めている。政府への批判を一切認めない国安法が施行されたほか、選挙制度も民主派が当選しにくいように変更された。

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台湾在住の香港人を束ねる「台湾香港協会」の理事長で、人権派弁護士の桑普氏は、この日の香港での式典を「市民不在の茶番だ」と批判した。

 

Police officers stop and check journalists near the Convention and Exhibition Center, where Chinese President Xi Jinping will attend an inauguration ceremony for the new, sixth term government in Hong Kong, Friday, July 1, 2022. (AP Photo/Harry Long)

 

桑氏によれば、知人に式典の開催を喜ぶ人は全くいない。当局は抗議デモを警戒し、式典会場に市民を一切入れなかった。会場周辺の広範囲で交通規制を敷いたために各地で大渋滞が起き、市民の不満はますます高まった。式典では習氏も李家超・新行政長官も「安定」「秩序」を繰り返し強調したため、「これから自由がますます少なくなるだろう」と危惧する市民も多いという。

 

台湾紙、聯合報などによると、2019年の大規模な反政府デモが弾圧された後、香港から欧米やシンガポール、台湾などに出た移民は企業家や知識人など10万人を超えた。今後、この流れはさらに加速する可能性があるという。

 

筆者:矢板明夫(産経新聞台北支局長)

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