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ペロシ訪台で「最後の一線」越えられ…メンツ潰された習政権

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Taiwan

8月3日、台湾の蔡英文総統(中央右)
との会談に臨むペロシ米下院議長(同左)
=台湾の総統府提供・AP

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中国側の再三にわたる警告にも関わらず、ペロシ米下院議長が台湾入りした。習近平国家主席はメンツを潰された形だ。それが軍事演習を含む強い威圧に駆り立てている。ただ、長期政権を目指す中国共産党大会を控え、米国との対立が決定的なものになることを避けたいとの本音もうかがわれる。

 

北京市内に張り出された、中国軍が「重要軍事演習行動」を開始したことを1面で報じる中国紙=8月5日(共同)

 

「『台湾独立』分裂勢力と外部勢力の干渉に、いかなる余地も残さない」

 

中国の王毅(おうき)国務委員兼外相は3日に発表した談話で米側に猛反発した。ペロシ氏の台湾到着直後の2日深夜、外務省や国防省など中国の党・政府機関が一斉に非難声明を発表。軍事、経済などの対抗措置を次から次へと表明した。

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習政権は、ペロシ氏の訪台を「中国側の最後の一線への挑戦」と位置付けて阻止を狙った。習氏は7月28日、バイデン米大統領との電話会談で「火遊びをすれば必ず焼け死ぬ」と強い表現を使い警告した。

 

だが、習氏自らによる働き掛けは功を奏さず、王氏は声明で「中国の厳正な申し入れを顧みず、公然と訪問した」といらだちを隠さなかった。失策を覆い隠すことに加え、国内では対米感情が悪化していることもあり、習政権は強硬姿勢を示す必要に迫られている。

 

香港返還25年記念式典で、演説する中国の習近平国家主席=7月1日、香港(AP)

 

一方で、中国軍全体の軍事演習は「4日開始」と設定された。ペロシ氏が台湾を離れた後で、不測の事態が起きないよう日程を考慮した可能性がささやかれる。また、北京市内の在中国米大使館周辺では3日、通常よりも多くの警官が配置されていた。突発的な抗議デモなどが起きて、米中関係に影響を与えることを警戒しているとみられる。

 

米軍に対抗可能な軍事力がまだ整っていない中、米中関係をめぐる緊張が過度に増さないよう習政権は神経を使っているもようだ。

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習氏は、秋頃に開かれる第20回党大会で最高指導者として異例の3期目入りを目指す。河北省の避暑地・北戴河に党幹部らが集まり始めているという情報があり、次期指導部の人事調整などが非公式に行われるとみられ、「安定」を重視する姿勢を強めている。

 

また、中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)報道官(外務次官補)は3日の記者会見で、中国側が十分な対抗措置をとっているとし、「中国人の理性的、愛国的だと信じている」と強調した。習政権に対して「対応が不十分」といった不満が高まらないようクギを刺したとみられる。

 

筆者:三塚聖平(産経新聞中国総局)

 

 

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