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【主張】ミャンマー国軍 中露は強権弾圧あおるな

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死刑執行された政治犯の写真を掲げ抗議するタイ在住のミャンマー人ら
=7月26日、バンコクのミャンマー大使館前(AP)

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ミャンマー国軍が、民主活動家ら4人の死刑を執行した。クーデターで権力を奪った国軍に抵抗し、民主化要求を貫いた元下院議員らである。

 

国軍が設置した軍事法廷が今年1月、「テロ行為」に関与したとして死刑判決を言い渡した。弁明、弁護の機会が与えられたかどうか極めて疑わしく、実態は、有無を言わさぬ政治犯の処刑である。

 

内外から死刑を執行しないよう求める声が相次いでいたが、国軍は強行した。ミャンマーではこの数十年、死刑執行はなかった。

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人権団体などによると、ミャンマーではクーデター以降、子供2人を含む117人に死刑が宣告された。4人の刑執行は、国民に対する恫喝(どうかつ)に他ならない。

 

国軍への抗議集会で声を上げる在日ミャンマー人ら参加者=7月25日午後、東京都港区(共同)

 

弾圧が苛烈になってきたとみるべきだ。日本をはじめ国際社会は連携し、権力奪取をやめさせるため、圧力を強化すべきである。

 

クーデターから1年半が経過し、事態は悪化している。国軍は平和な抗議デモに実弾で応じ、民主派勢力の一部は武装闘争に入った。コロナ禍やロシアのウクライナ侵略に伴う燃料、食料価格高騰で、経済は危険な状況にある。

 

だが、東南アジア諸国連合(ASEAN)と約束した全当事者との対話を依然、始めようとせず、平和的解決の糸口も見えない。

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ミャンマー国軍が外相に任命したワナマウンルイン氏(左)と会談した中国の王毅国務委員兼外相=4月1日、中国安徽省(新華社=共同)

 

警戒すべきは、苦境にある国軍が中国、ロシアへの傾斜を深め、両国を見習うかのように、強権的手法を強めていることだ。

 

中国の王毅外相が7月、クーデター後初めてミャンマーを訪問し、国軍支援の姿勢を示した。ミンアウンフライン国軍総司令官は直後にロシアを訪れ、軍事、防衛協力の他、エネルギー調達での協力も話し合った。総司令官の訪露はクーデター後、2度目だ。

 

中露両国は国軍に影響力を行使できる立場にある。平和的解決を促すべきだ。国軍擁護の姿勢は、強権行使をあおるに等しい。

 

4人の刑執行を受け、日米韓など8カ国と欧州連合(EU)の外相は、死刑執行を非難する共同声明を発表した。ASEAN議長国のカンボジアは「深く失望した」と表明した。

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ASEANを含めた、この枠組みが主体となって連携し、国軍と向き合っていくのも一案だろう。不当な権力奪取に先行きはないことを、国軍に繰り返し説き、分からせねばならない。

 

 

2022年7月31日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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