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東京円24年ぶり140円台 強いドル、世界に重圧

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円相場が急落し、1ドル=140円台と
24年ぶりの円安水準となったことを示すモニター
=9月2日午前、東京都港区(松井英幸撮影)

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米連邦準備制度理事会(FRB)が20、21日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)を前に金融市場の動揺が続く。米国の大幅利上げ観測を背景に2日の東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=140円台前半と約24年ぶりの安値水準をつけた。昨年末からの下げ幅は約25円。新型コロナウイルス禍からの回復で出遅れた日本では、円安が「悪い物価上昇」につながるマイナス面が目立ってきた。

 

円急落の引き金を引いたのは、FRBのパウエル議長が8月26日に行った講演だ。家計や企業に痛みを伴っても、インフレ抑制のため金融引き締めを続ける強い決意が示された。

 

 

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一方、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は7月の金融政策決定会合で「金利を引き上げるつもりはまったくない」と断言し、かたくなに金融緩和を続ける考えだ。

 

投資家は日米の金融政策の方向性の違いに注目。円を売って、より高い利回りを見込めるドルを買う動きを強め、円安に拍車をかけている。

 

日本でも物価高は深刻化しつつある。消費者物価指数(生鮮食品を除く)の前年同月比上昇率は7月まで4カ月連続で日銀が目指す2%台をつけた。輸入物価の上昇要因のうち円安が占める割合は半分近い。円安が進めば、食品や日用品、家電などの価格上昇の勢いはさらに増す可能性がある。

 

 

問題は賃金上昇が追い付いていないことだ。「よい物価上昇」の状況を作るため、日銀は粘り強く金融緩和を続け、企業や家計の経済活動を支える構えだ。

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インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは「夏が終われば航空券や宿泊費は安くなる。数カ月後には米国の物価情勢は落ち着き、今度は円高方向の動きが強まる」として、当面は1ドル=130~140円前後の範囲での推移を予想する。ただ、市場ではさらなる円安を警戒する声も聞かれる。

 

米国の利上げ加速は新興国経済にも深刻なダメージを及ぼしつつある。新興国経済を支えてきたマネーは既に先進国に流出し始めている。さらに新興国通貨安が進めば、対外債務の負担の増大にもつながる。

 

第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは「新興国は景気悪化に対処したくても、深刻な物価高を抑えるため米国の利上げについていくしかない。新興国経済にとっては厳しい環境が待ち受けている」と指摘する。スリランカに続き、デフォルト(債務不履行)が他の新興国に広がる可能性に警戒を呼びかける。

 

筆者:米沢文(産経新聞)

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