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中国、尖閣で「実効支配」演出 日本漁船の執拗追尾相次ぐ

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尖閣諸島・魚釣島周辺で領海侵犯した中国公船(中央)と
警戒に当たる海上保安庁の巡視船やボート
=2013年8月(仲間均・石垣市議提供)

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尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で領海侵入を繰り返す中国海警局の船が、付近で操業していた日本漁船に近づき、長時間追尾するケースが目立っている。海警局の武器使用権限を明記した海警法が施行された昨年2月以降、顕著に増加。日本漁船を取り締まる動きを示すことで領有権を誇示する狙いがあるとみられ、専門家は尖閣でも活動が先鋭化する可能性があると危惧している。

 

海上保安庁によると、海警局の船が日本漁船に接近しようとする動きは令和元年に1件確認され、翌2年に8件、3年には18件と倍以上に増えた。今年は6件確認されている。

 

中国の海洋政策に詳しい九州大学大学院の益尾知佐子准教授(国際関係論)は「日本漁船が自国の国内法に違反しているとして領海内から追い出そうとすることで、尖閣諸島での実効支配の実績を積み上げていると思われる」と指摘する。

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海警局の船が日本漁船を執拗(しつよう)に追尾するようになるとともに、領海への侵入時間も長くなる傾向にある。今年6月23日に連続侵入が64時間に達し、平成24年の尖閣国有化以降で最長となった。7月7日にも64時間17分にわたって連続侵入し最長を更新したばかりだ。

 

中国海警局は2013年に法執行機関として設立。18年には海警局を中央軍事委員会の指導を受ける武装警察部隊に組み入れ、準軍事機関に改編された。昨年2月施行の海警法で武器使用権限を明確化。その後、中国の領海を脅かす可能性があると判断した外国船に退去を命じ、追跡する権限も与えられた。

 

 

尖閣諸島が管内にある第11管区海上保安本部次長などを歴任した元海上保安監の伊藤裕康氏は「海警局の船は、組織改編や法改正を経て、自信をもって権限を行使する行動に出ているようだ」とみる。尖閣周辺での「常在化」も進む。昨年は332日にわたり接続水域内で海警局の船が確認された。今年も19日現在で220日確認され、過去最多のペースで推移している。

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東海大の山田吉彦教授(海上安全保障)は「日本漁船を取り締まるためという形で、領海内での航行を既成事実化していくことが重要と中国側は考えている」との見方を示す。

 

南シナ海ウィットサン礁に停泊する中国船団=2021年3月31日(フィリピン当局提供)

 

益尾准教授によると、中国海警局の船は、南シナ海では2007年ごろから外国漁船に高圧的な態度を繰り返しており、20年4月にはパラセル(中国名・西沙)諸島付近でベトナム漁船に体当たりして沈没させる事故も起きた。益尾准教授は「南シナ海では海警局の取り締まりが暴力的なものになっており、尖閣周辺でも今後、活動が先鋭化する可能性はある」と話した。

 

筆者:大竹直樹(産経新聞)

 

 

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