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【主張】アニメ大全公開 百年の宝の蓄積を未来へ

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アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』ティザービジュアル
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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日本のアニメ約1万5千作品の基本情報を検索できるウェブサイト「アニメ大全」が公開されて話題となっている。さっそくアクセスしづらい状態が続くなど国内外の関心は高い。世界に誇る日本の宝の蓄積だ。未来に向けた産業振興の一助となるよう期待したい。

 

アニメ制作会社などでつくる日本動画協会が制作した。国産の商業アニメーション公開が平成29年に100年を迎えたことを記念して始まった「アニメ NEXT―100」プロジェクトの一環である。

 

サイトは1910年代の映画を皮切りに、公開日や監督名、制作者といった基本情報から、ストーリー、解説なども掲載している。年代やタイトル、関連ワードなどで検索でき、エピソード数は約18万に及ぶ。アニメでは世界最大規模のデータベースだ。

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その目的について同協会などはサイト上で、個別の会社ではできないアニメ産業・文化の基盤を歴史的に網羅し「アニメの力を過去・現在・未来へとつなぐデータベースをめざす」と説明した。石川和子理事長は「日本のアニメーション文化や歴史の全体像にふれる意義ある一歩」と記している。

 

「アニメ大全」の検索画面

 

さらに、「埋蔵文化になってしまう作品をなくす」ことも目指している。どんなに古い作品でも、公開当時は注目されなかったアニメでも、貴重な日本の財産に変わりはない。今後、研究者やクリエーターのための資源となる可能性を秘めている。そのための、いわば「知」と「楽」の宝箱だ。

 

同協会が公開している「アニメ産業レポート2021」によると、令和2年のアニメ産業市場はコロナ禍の影響で前年比3・5%減の2兆4261億円だった。

 

ただ、前年までは右肩上がりで10年前に比べると約2倍に成長している。巣ごもり需要で配信市場が伸びたほか、初めて国内市場を海外市場が上回った。海外での日本アニメ人気を裏付けるとともに、さらなる海外での市場拡大の可能性も感じさせる。

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一方で、あれだけ予算を投じ話題にもなった政府のクールジャパン戦略はどうなったか。設立された官民ファンドは多額の損失を抱え、財務省は抜本的な見直しを検討中だ。

 

今後は民間の力や発想をそっと後押しするような、そんな戦略に切り替えてはどうか。

 

 

2022年8月29日付産経新聞【主張】を転載しています

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