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日豪首脳、新安保宣言発表へ 「準同盟国」 中国念頭に連携強化

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日豪首脳会談を前に握手する岸田文雄首相(右)とオーストラリアのアルバニージー首相=9月27日、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)

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日豪両政府が10月22日にオーストラリア西部パースで予定される首脳会談に合わせて新たな安全保障共同宣言を発表する方向で調整に入ったことが15日、分かった。インド太平洋地域での軍事的な存在感を高める中国を念頭に置いた連携を前面に打ち出し、「準同盟国」と位置付ける豪州との安保協力を新たな次元に引き上げる。複数の政府関係者が明らかにした。

 

岸田文雄首相は21日からパースを訪れ、22日にアルバニージー首相と会談する。新宣言には法の支配や航行の自由などを基調とした「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、防衛協力の強化や経済安全保障分野などでの連携も盛り込まれる見通しだ。

 

日豪安保共同宣言は2007年に安倍晋三首相(当時)とハワード首相(同)との間で締結。北朝鮮の核・ミサイル開発への対応やテロ対策での連携に言及したが、中国の脅威を念頭に置いた記述は盛り込まれていない。当時、豪州は中国を貿易相手国として重視していたからだ。

 

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5月26日、ソロモン諸島に到着した王毅国務委員兼外相(左)と腕を組むソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相(中国外務省提供)

 

だが、締結から15年で中国は軍事・経済両面で台頭し、東・南シナ海や太平洋への進出を活発化させている。今年4月には豪州沿岸から2千キロ以内のソロモン諸島と安保協定を結ぶなど豪州の直接的な脅威となりつつある。首相周辺は「豪州の中国への問題意識は一層強まっている」と話す。

 

このため、豪州は中国を共通の課題に位置付ける日本や日米豪印の枠組み「クアッド」への傾斜を強めている。日本との間では1月、自衛隊と豪軍が共同訓練などで相互訪問する際の手続きを簡素化する円滑化協定も締結していた。

 

日豪などが参加した海軍合同演習「パシフィックヴァンガード」に参加する艦艇=2021年7月、シドニー沖(海上自衛隊提供)

 

5月には岸田、アルバニージー両氏が初めて会談した際に安保共同宣言を早期に改定する重要性を確認していた。9月に行われた安倍氏の国葬(国葬儀)にはアルバニージー氏が再び来日したほか、ハワード、アボット、ターンブルの各元首相も参列する異例の対応をとった。

 

10月22日の会談では安保分野での連携強化に加え、日本が輸入量の約4割を豪州に依存する液化天然ガス(LNG)をはじめとするエネルギーの安定供給や、日豪が批准している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への中国の加盟申請でも意見を交わす。

 

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岸田首相にとって今回の訪豪は国会日程の合間を縫った「強行軍」となる。アルバニージー氏が5月に就任して以降の短期間で2度にわたり来日したことに対する返礼の意味合いもあり、個人的な信頼関係を強化したい考えだ。

 

 

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