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【主張】次世代半導体 過去の失敗を繰り返すな

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semiconductor Rapidus technology
記者会見後、写真撮影に応じる「Rapidus(ラピダス)」の小池淳義社長(左)と東哲郎会長=11月11日午後、東京都港区(飯田英男撮影)

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トヨタ自動車やソニーグループ、NTTなどの日本を代表する大手企業が、次世代半導体の国産化を目指す新会社「ラピダス」を設立した。政府も補助金で新会社による開発を支援する。

 

スーパーコンピューターや人工知能(AI)などに幅広く使われる次世代半導体は重要度が高まっており、世界的に開発競争が激化している。経済安全保障の観点からも次世代半導体の安定調達が問われており、官民で量産化を目指す取り組みを歓迎したい。

 

semiconductor

半導体(ロイター=共同)

 

とくに日本は台湾企業に多くの半導体を依存している。台湾をめぐる中国の脅威が高まる中で、次世代半導体を日本で生産・供給することは、国内産業を守るためにも喫緊の課題である。

 

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これまで半導体や液晶など官民による大型開発事業は、参加企業や政府の思惑が交錯し、失敗を繰り返してきた。そうした経緯を厳しく反省し、今回の共同事業は成功させなければならない。

 

新会社は、超微細な加工技術を使い、大規模演算用のロジック半導体と呼ばれる次世代半導体の5年後の量産化を目指す。新会社にはNECやソフトバンク、キオクシア(旧東芝メモリ)なども共同で出資した。

 

Semiconductor

記者会見する「Rapidus(ラピダス)」の小池淳義社長(左)と東哲郎会長=11月11日午後、東京都港区(飯田英男撮影)

 

政府は新会社による研究開発の拠点整備などに対し、700億円を投じて後押しする。さらに新会社は、東京大や産業技術総合研究所などが参加する研究開発拠点とも連携する。海外勢に比べて出遅れている次世代半導体の開発を加速させるには、オールジャパン体制の構築が欠かせない。

 

経済産業省は、台湾の大手半導体メーカー、台湾積体電路製造(TSMC)の半導体工場を熊本県に誘致し、安定的な調達を計画している。ただ、誘致工場の微細加工能力は世界最高水準ではないため、日本勢が次世代半導体の独自開発を目指すのは当然だ。

 

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わが国の半導体産業は、1980年代に世界市場で50%のシェアを獲得するなど存在感をみせていた。だが、90年代以降は台湾や韓国勢に押され、現在の世界シェアは10%未満にとどまっている。半導体産業の立て直しは急務だ。

 

半導体工場の建設には巨額な投資資金が必要となるため、政府の支援に加えて民間資金の活用が欠かせない。専門人材の育成も含めて官民が連携し、半導体産業の再興を果たしてほしい。

 

 

2022年11月12日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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