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柔道・井上康生氏「世界選手権への意気込み、パリ五輪への準備と北欧視察」

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柔道男子日本代表の世界選手権に向けた合宿で、橋本壮市(手前)ら参加者全員で黙とうする=2023年4月13日、国士舘大多摩キャンパス(代表撮影)

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Japan Forward読者の皆さん、こんにちは。

 

5月に入り、日本では新緑の季節を迎えました。世界の柔道界では早くも今年のクライマックスを迎えようとしています。5月7〜14日の日程で、カタール・ドーハにおいて世界柔道選手権が開催されるからです。

 

例年、世界選手権は夏から秋にかけて行われてきましたので、今年は特別です。全日本柔道強化チームはこの日程にあわせ、昨年末までに個人戦の代表を決定し、準備を進めてきました。代表選手たちにとっては来年のパリ五輪に向け、日ごろの練習の成果と存分に発揮してほしいと思っています。

 

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柔道男子日本代表の世界選手権に向けた合宿で、組み手練習をする阿部一二三(中央)=2023年4月13日、国士舘大多摩キャンパス(代表撮影)

 

さて、今回は4月に日本オリンピック委員会(JOC)の仕事で訪れたフランスとノルウェー・フィンランド視察についてご報告したいと思います。

 

まず、フランスですが、これは2024年パリ五輪の現地調査のため、30の国内の競技団体の代表者とJOCの職員および関係者とともに訪れました。私は2022年から2024年パリ五輪の強化対策プロジェクトリーダーとしての参加です。

 

今回の調査実施の目的は、3つありました。ひとつは情報の収集です。大会会場や選手村などを視察し、オリンピックがどのような環境下で行われるのかについてパリ五輪組織委員会に案内いただき、説明を受けました。ふたつめは、各競技団体が独自に競技関係者と関係性を作ることです。各競技団体が現地での準備や大会期間中の行動を円滑に行うため、必要な情報が得られるよう、自由に動いていただきました。そして3つ目は、チームジャパンとしての一体感の醸成です。今回は、30の競技団体から45名が参加されました。

 

これほどの数の競技団体関係者が直接参加して行う事業は、私が2024年パリ五輪の強化対策プロジェクトリーダーに就任して以来、初めてのことでした。非常に有意義な時間だったと思います。最終日にはささやかな懇親会を開催したのですが、参加されたみなさんからは「競技団体の横のつながりの重要性を感じました」「顔と顔を合わせて行う事業はいいものですね」といった声をいただき、大変うれしく思いました。

 

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今回の視察はJOCとしても大変収穫の多いものとなりました。来年、各競技のみなさんが力を発揮できるよう、引き続きサポート体制の強化を進めていきたいと思います。

 

 

ノルウェーとフィランドで指導者育成の考え方に共感

 

このパリの視察を終えたその足で向かったのがノルウェーのオスロとフィンランドのヘルシンキです。こちらは、JOCサービスマネジャーの中竹竜二さんと同職員の鈴木和馬さんと私の3人で訪れ、両国のオリンピック委員会を訪問し、職員の方たちと情報交換を行いました。

 

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ノルウェーオリンピック委員会の職員の方と記念撮影。左が一緒に視察に訪れた中竹さん、中央が鈴木さん(Photo/INOUE KOSEI)

 

この2カ国の視察では、主に指導者育成システムやその基本的な考え方についての情報収集が目的でした。両国ともに興味深いお話がいくつもあったのですが、私が特に共感したのは、「指導者は自分の競技についてだけでなく、さまざまなことに関心を持ち、視野を広く持っておくべきだ」という考え方でした。

 

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ノルウェー、フィンランドともに、高福祉の環境先進国として知られ、文化・芸術の振興に力を入れていますが、ノルウェーではコーチの育成にあたっても、こうした視点を採り入れたプログラムを実施しているそうです。

 

私もスポーツの指導者は、自分の専門以外の分野に興味を持ち、勉強することが指導者としての幅を広げ、力量の向上につながると考えていますので、ノルウェーオリンピック委員会のこの方針には非常に共感し、またうれしく思いました。

 

このように、パリは3日、オスロとヘルシンキはそれぞれ1日という限られた日数での滞在となりましたが、いずれも大変意義深いものとなりました。

 

やはり世界を旅してさまざまな文化に触れるのは良いものです。次はまったく別の文化の国を訪れ、その国や土地のスポーツ事情について学んでみたい。そう思った充実の視察となりました。

 

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judo Kosei Inoue

井上康生 NPO法人JUDOs理事長

judo Kosei Inoue

Kosei Inoue, NPO JUDOs President

 

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