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【主張】女性役員30%目標 外部に頼らず社内登用を

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World Junior Championships
フィギュアスケート世界ジュニア選手権で金メダルの島田真央さん(左)と3位の中井亜美さん。スポーツにとどまらない女性の活躍が望まれる=3月4日、カルガリー(共同)

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政府は女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)で、東京証券取引所の最上位市場であるプライム市場に上場する企業に対し、2年後をめどに最低1人は女性を役員に選任するように求める方針を打ち出した。

 

そのうえで令和12(2030)年までに女性役員比率を30%以上に高める数値目標も盛り込んだ。政府の方針を受け、東証も年内に上場規則にこうした目標を盛り込む予定だ。

 

女性の活躍を後押しするだけでなく、取締役会に多様な人材登用を促すことで上場企業の経営改革につなげるのが狙いだ。着実な達成が欠かせない。

 

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昨年時点でプライム上場企業の女性役員比率は11%にとどまり、女性が取締役会に一人もいない企業も2割近い。これに対し欧米の大手企業では女性の役員比率は3割以上を確保している。岸田文雄政権が数値目標まで掲げて選任を促すのは、このままでは大きな進展が期待できないためだろう。

 

すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部合同会議で発言する岸田文雄首相=6月13日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

 

国内外の機関投資家も上場企業に厳しい姿勢を示しており、女性役員がいない場合には役員選任議案に反対するなどの動きが活発化している。企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)でも役員構成の多様化を求めており、女性の役員登用は上場企業にとって喫緊の課題といえる。

 

男性ばかりが要職を占める企業では人材が偏在し、経営環境の激しい変化に対応できないとの見方もある。とくに検査不正が相次いで発覚した大手メーカーの場合には女性幹部が少なく、閉鎖的な組織の論理を優先するあまり、法令順守が疎かになるなどの問題も指摘されてきた。

 

すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部合同会議=6月13日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

 

最近では弁護士や大学教授ら女性の有識者を社外取締役として招聘する企業も増えている。当面の対策として外部人材の起用はやむを得ない面もあるが、目標を数合わせで終わらせてはならない。

 

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企業経営に多角的な視点を取り入れるためには、現場の女性社員も幹部として育成し、能力に応じて役員に登用する継続的な人材養成の仕組みが求められる。こうした取り組みは女性のキャリア形成にも追い風となる。

 

政府は目標達成に向けてプライム企業に対し、人材育成の行動計画も求める。実効性のある育成プログラムを策定し、企業の確かな成長につなげたい。

 

 

2023年6月18日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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