fbpx
Connect with us
Advertisement

【主張】北のICBM 餓死放置して何の発射か

Published

on

7月12日に行われた新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星砲18」型の試射(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

~~

 

北朝鮮が7月12日、首都平壌近郊から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射した。通常より高い角度で打ち上げるロフテッド軌道をとり、過去最長の約74分間飛んで北海道・奥尻島約250キロ西方の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。

 

飛行距離は約千キロで最高高度6千キロ超と推定される。通常軌道であれば射程は約1万5千キロを超え、米全土を攻撃範囲に含む恐れがある。

 

反米集会で掲げられた、各種ミサイルが米本土に向かって飛ぶ様子を描いた巨大宣伝画=6月25日、平壌のスタジアム(共同)

 

北朝鮮メディアは13日、固体燃料式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射に成功したと報じた。日本政府や韓国軍も固体燃料式のICBMの発射とみている。

 

Advertisement

岸田文雄首相が発射を「断じて容認できない」と非難したのは当然だ。リトアニアでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に招かれていた日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4首脳は「北朝鮮を非核化する国際社会の決意を強めるだけだ」と非難し、対話に復帰するよう求める共同声明を発した。

 

北朝鮮は直ちに核・ミサイル戦力を放棄しなければならない。

 

日米韓が日本海の公海上で実施した、北朝鮮の弾道ミサイルに対する防衛訓練=7月16日(韓国国防省提供・共同)

 

固体燃料式のミサイルは、燃料注入に時間のかかる液体燃料式に比べ迅速に発射できる。まだ先とみられるが、火星18が実戦配備され、核弾頭を積んで大気圏に再突入し、起爆できるようになれば、米本土のみならず日本の安全も脅かすことになる。

 

米政府が本土の大都市への核攻撃のリスクを覚悟して日本のために「核の傘」を機能させるかどうか、疑念が高まる恐れがあるからだ。日米同盟の弱体化である。

 

Advertisement

岸田政権は米政府と協力し、日本を守る核抑止態勢の強化をはかるべきだ。

 

新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星砲18」型の試射を視察する金正恩朝鮮労働党総書記=7月12日(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 

北朝鮮は、金正恩朝鮮労働党総書記が今回の火星18発射を現地指導したと誇っているが、愚かな振る舞いというほかない。

 

北朝鮮では、深刻な食糧難によって餓死者が多く出ているとされる。金氏は、核・ミサイル戦力にすがるのではなく、それらに費やす予算を自国民の救済に使うべきだ。国民を餓死させて恥じない独裁者は自国民から憎まれ、国際社会から侮蔑される存在でしかない。強大な核・ミサイル戦力を誇ったソ連が国民の離反で崩壊した例もある。金氏は世界の平和と安定を乱すことをやめるべきだ。

 

 

Advertisement

2023年7月14日付産経新聞【主張】を転載しています

 

この記事の英文記事を読む

 

 

Continue Reading
Click to comment

You must be logged in to post a comment Login

Leave a Reply

Our Partners