ゲームアワード2021 : 「It Takes Two」が大賞、日本のゲームも健闘
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ビデオゲーム業界のアカデミー賞ともいわれる世界最大級のゲームアワード「The Game Awards 2021」が12月9日、コロナ流行後初めてロサンゼルスのマイクロソフトシアターで開催された。例年通りオンラインでもストリーミング配信され、YouTubeのストリーミング配信だけで300万回以上の視聴を記録した。
夜のステージではスティング、マーベルのスーパースターで俳優のシム・リウ、有名俳優のジャンカルロ・エスポジートらVIPが登場し、花を添えた。
このイベントはゲームジャーナリストのジェフ・キーリーが2014年に創設。エンターテインメントショーや新しいゲームの発表を行い、部門別にその年の優秀なゲームに賞が贈られる。
イベントの冒頭では、2022年初頭のHaloシリーズの実写版ドラマ、人狼ライクなゲーム「Among Us」のVR版「Among Us VR」、SF小説「DUNE/デューン砂の惑星」を原作とした新作RTS「Dune: Spice Wars」などが発表された。
今年の「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」にはスウェーデンのヘイズライト・スタジオが開発、エレクトロニック・アーツが発売した「It Takes Two」が輝いた。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)、カプコン、スクエア・エニックスなど大手企業のタイトルがノミネートされるなか、インディーズのヘイズライト・スタジオによるIt Takes Twoの受賞は貴重なものだ。受賞が発表されると、ゲームディレクター、ジョセフ・ファレス氏はステージで「素晴らしいチームに感謝したい。彼らなしでは何もできなかった」と喜びの声を上げた。このゲームは関係を修復しようとする夫婦を愛らしく描いたもの。カップルは人形となり、協力して課題を克服する。
人気のドライビングゲーム「Forza Horizon 5」(Playground Games / Xbox Games Studios)はベストオーディオデザイン、ベストスポーツ/レーシングゲーム、革新的アクセシビリティの3部門を受賞し、最も多くの部門を制したタイトルとなった。
部門別では日本のゲームも健闘した。スクエア・エニックスの「ニーアレプリカントver.1.22474487139」が岡部恵一氏による作曲でベストスコア/ミュージックを受賞。同じくスクエア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIVオンライン」は、ベスト運営ゲームとベストコミュティサポートをダブル受賞した。世界中で支持される人気作で、ここからオンラインゲームの世界に足を踏み入れるユーザーも多いとされる。
ファイナルファンタジーXIVの開発者、キャメロン・ターナー氏は「ゲームに心血を注ぎ、ユーザーに新鮮で記憶に残るストーリーを提供する素晴らしいチームに最大の感謝を。これから起こることに期待してほしい」と受賞に感謝の辞を述べた。さらに、ユーザーに対しては「コミュニティに最大の感謝を捧げる。彼らはゆるぎなく、私たちを支持し続けてくれることをとてもうれしく思う」と語った。
そのほか、日本のタイトルからは「テイルズオブアライズ」(バンダイナムコゲームス)がベストRPG、「GUILTY GEAR ‐STRIVE‐」(アークシステムワークス)がベスト格闘ゲームを受賞した。
多くの期待受け、ベータ版を経て12月8日にリリースされたばかりの「Halo Infinite」(Xbox Game Studios)はプレイヤーズチョイスアワードを獲得した。
ビデオゲーム業界は拡大の一途をたどっている。ゲーム業界のトレンドや動向に特化した調査企業、Newzooによると、市場は2023年までに2000億ドルを超えると予測される。ビデオゲーム市場は現在、テレビ、映画、音楽を合わせたものよりも大きな規模になっている。世界の映画産業が総収入で初めて1000億ドルに達したのは2019年だった。
ゲームアワードで示されたビデオゲームの人気は、ゲームブームが止まることがないことを物語っている。
筆者:アリエル・ブゼット
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