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【主張】サハリン資源事業 日本も撤退の決断を下せ

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Russian oil

石油・天然ガス開発事業「サハリン1」の洋上施設
(エクソンネフテガス提供・共同)

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欧米の大手石油会社が相次いでロシア極東のサハリン資源開発事業からの撤退を表明した。

 

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、国際社会はロシアに対する厳しい経済制裁に乗り出している。欧米企業は制裁の一環として資源開発事業からの撤退を決めた。

 

日本も西側世界の一員として足並みを揃(そろ)え、ロシアの資源開発事業からの撤退を決断しなければならない。ここで日本だけが事業を継続すれば、国際社会に誤ったメッセージを発信することになる。

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政府や大手商社が参加するサハリン事業は、液化天然ガス(LNG)や原油の貴重な資源調達先として機能してきた。その撤退は日本のエネルギー安全保障にも重大な影響を与える。それだけに、政府が主導して撤退を決断し、同時に他国からの代替調達も官民で進めなければならない。

 

サハリン(樺太)南端のプリゴロドノエで稼働した石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の液化天然ガス(LNG)プラント(2009年02月20日、遠藤良介撮影)

 

英石油大手のシェルがLNG開発事業「サハリン2」から撤退を表明したのに続き、米石油大手のエクソンモービルも「サハリン1」からの撤退を決めた。英石油大手のBPはロシア国営石油会社の持ち株売却を決め、ロシアから事実上撤退する。

 

ウクライナの主権を奪い、自由と民主主義を踏みにじるロシアの侵略行為は許されない。国際社会はロシア制裁を強め、欧米のエネルギー企業もロシアからの撤退を表明することで、ロシアの蛮行を非難する姿勢を鮮明にした。

 

サハリン1で日本政府と伊藤忠商事、丸紅など、サハリン2では三井物産と三菱商事が出資し、長期契約に基づいてLNGや原油などの資源を輸入している。日本はロシアからLNGの9%、石炭の13%を輸入しており、北極圏のヤマル地方では三井物産などが参加してLNG基地を建設中だ。

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そのロシアの資源開発事業から撤退すれば、わが国のエネルギー調達に大きな打撃となるのは確実である。それでも資源確保で不利になるとの理由でロシア事業を続ければ、世界的な対露制裁の結束を崩すことにもなりかねない。

 

ロシアからLNGを輸入する日本企業の中には「ロシアからの資源調達は続けたい」という声も根強い。だが、政府が明確にロシアを非難しながら、その裏で日本企業がロシアから資源調達する身勝手は許されない。国としての覚悟が問われている。

 

 

2022年3月3日付産経新聞【主張】を転載しています

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