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【主張】2030年の脱炭素 日本は技術貢献に専心を

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菅義偉首相とバイデン米大統領の首脳会談で地球温暖化問題への両国の連携を約した「日米気候パートナーシップ」が成立した。

 

「パリ協定」で求められている2030年時点での二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出削減目標値の引き上げに向けての意見一致も絆の表れである。

 

両政府は50年までに温室効果ガスの排出量が実質ゼロになる脱炭素社会を目指している。その実現には、途次に位置する30年の目標値が重要なのだ。

 

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日本の30年度目標は13年度比で26%減であり、上積みを求める声が国際的に増している。バイデン政権でパリ協定に復帰したパートナーの米国は、05年比で50%減を検討しているとされる。

 

両首脳会談での日本の目標値の引き上げ討議を踏まえ、政府は国際社会に対し、新目標値を22日から米国の主催で開催されるオンライン会議の「気候変動サミット」で報告する可能性がある。

 

政府内では、13年度比で45%前後の削減値が調整されているようだが、米国の数値を意識し過ぎの身の丈を超えた目標だ。省エネで先行し、CO2の削減余地が少ない日本にとって現行の26%減でさえ実現は容易でない。どのような手段で10年以内に約2倍もの削減を達成できるのか。

 

小泉進次郎環境相は太陽光発電の大幅増で対応しようとしているようだが、破綻が予想される構想だ。市場を席巻する中国製のパネルは製造工程でCO2を多く排出しているし、雨天での出力減少時の穴埋めには、より多くの火力発電が必要になってしまう。

 

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そもそも日本の場合、目標値の高さで削減貢献を図ることに意味がない。日本のCO2排出量は世界の4%足らずなので必死の努力で半減しても地球規模では2%しか減らない。合わせて40%以上に達する米中の超排出大国とは、根本から事情が違うのだ。

 

「日米で世界の脱炭素をリードする」(菅氏)なら日本は技術貢献に専心すべきである。日本が発明した青色発光ダイオードによって世界の照明用電力がどれほど節減されているかを主張したい。

 

国内の脱炭素化には原子力発電の活用が不可欠だ。今後10年間での再稼働を急がなければ、世界への公約不履行となり、日本の国際信用力が低下する。

 

 

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2021年4月20日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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