Image of a flying car (Photo provided by Osaka Prefecture)

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Expo 2025 Osaka Kansai Seeks to Usher in Era of Flying Cars

 

(2025年大阪・関西万博は、空飛ぶクルマ時代の到来を告げることになるか)

 

 

中国の大学教授や学校の教員、知識人らの発言は、中国当局の厳しい監視下に置かれている。最近、未来を担う若者たちを育てる彼らの驚くべき内容の発言を知り、少なからず衝撃を受けた。

 

中国との交流事業を長年続けている日本財団の笹川陽平会長の「笹川陽平ブログ」(1月11日「中国の小話」その270)によると、先生たちはすべて、講義で、中国の世界に対する優位性を強調するようになったそうだ。

 

たとえば、コンピューターの先生が授業で必ず、2進数の演算方法は(中国の占いに使われる儒教の経典の)易経からのものと強調する。さらに、数学の円周率の計算方法も中国が起源で、近代機械の始祖が木牛流馬(諸葛孔明の創案という運搬兵器)とするなど、「人類のすべての発明の源流」が中国にあることを力説しているという。

 

そして、とどめは、「全ての先生が授業の前に必ず米帝打倒、日本打倒、台湾解放、中国必勝…を叫ぶ」そうだ。

 

最初、にわかには信じられず、単なる笑い話かと思った。だが、中国の専門家に聞くと、冗談ではなく、実際に中国で起きている現象なのだという。

 

ブログ記事の表題は「学生に密告されないための講義」。先生たちは“密告者”から自らの地位を守るため、あるいは自身の出世のために愛国的な「中国優越論」を唱えているという。

 

この専門家によると、「日本打倒」のスローガンが教育の場で叫ばれるのは、半世紀前の1966~76年に起きた毛沢東の文化大革命(文革)以来のこと。当時と違うのは、現代の中国が世界最先端のIT技術を駆使し、近代兵器で武装した軍事・経済大国にのし上がり、日本や米国など自由主義陣営を圧迫している現状である。

 

英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)でも、中国に関する記事が多くなった。最も読まれたトレンディング記事のランキング上位にも度々、中国関係の記事が入る。

 

上の英文(日本語訳)は先週初めに、トレンディング記事のトップとなった記事の見出しである。一見、中国とは関係のない記事のようにみえるが、実は関係がある。

 

3年後の大阪・関西万博では、「空飛ぶクルマ」が次世代の乗り物として注目されている。ところが、日本は、技術開発で欧米や中国に先を越されており、自国での万博を機に急ピッチで追いつかなければ、「技術立国」の看板が危うくなってしまうと、記事は警鐘を鳴らす。そのうえで、「未来社会の実験場」である万博を活用し、先行する欧米、中国を、日本が巻き返せるか注目されると記した。

 

今週末には、北京冬季五輪が開幕する。中国政府による新疆ウイグル自治区などでの人権侵害行為を欧米が非難し、外交的ボイコットの中で開かれる異形の五輪となる。

 

「日本打倒」を叫び、五輪で愛国主義を高揚させながら、世界制覇をもくろむ中国はどこに向かうのか。一方、ロシアがウクライナ東部に軍事侵攻する危険性は依然として高い。JFは昨年秋、本コラムでこの事態を警告した。

 

JFは、世界の主導権争いに動く中露両国、そして日本の近未来社会に向けた大実験の行方を注視していきたい。

 

(JAPAN Forward編集部)

 

 

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「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています

 

 

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