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Opening the Comfort Women Issue to Free Debate Rooted in Historical Documents

(史料にもとづく慰安婦問題の自由な議論が始まる)

 

 

世界に広まる「慰安婦=性奴隷」説は作り話だ―。慰安婦問題について、そんな内容の論文を発表し、米国の歴史学界からたたかれている米ハーバード大学大学院のマーク・ラムザイヤー教授(69)に、保養先に「遊びに来ないか」と誘われた。そんな機会はめったにあるものではない。今月初め、夏休みをとって妻と出かけた。

 

米国を訪ねたわけではない。長野県の野尻湖畔にある国際村の別荘が目的地だった。光り輝く青い湖を望む山腹の深い緑に包まれた森の中の山小屋にたどり着くと、教授は笑顔で出迎えてくれた。

 

Lake Nojiri on August 4. (© JAPAN Forward)

 

軽井沢の喧噪(けんそう)を嫌う宣教師たちが開いた国際村が気に入った教授は毎夏、来日した際に訪れるという。だが、コロナ禍で中断。今夏は、4年ぶりの滞在でうれしそうだった。野趣あふれる手作りの古い山小屋や湖畔のレストランで聞いた話は実に楽しかった。

 

その一つが、慰安婦問題の研究をし始めたきっかけについてだ。教授は、慰安婦問題に「特に強い関心があったわけではない」。日本の経済について日本語の古い文献を調べていたところ、慰安婦についてまとまった資料を偶然見つけた。読んでみると、日本軍に拉致され、売春を強いられた「性奴隷」だとする米国での通説とはまったく異なる事実が書かれていた。

 

たとえば、慰安婦たちは契約によって雇用されていたこと、リスクが高い戦地だったことから高報酬で雇われていたこと、年季奉公と呼ばれる契約期間が終わるとそのほとんどが自らの意思で辞めて帰郷したことなどが記されていた。

それならばと、「太平洋戦争における性サービスの契約」という英語の学術論文にまとめて2020年末に発表したところ、激しい攻撃が始まった。

 

Professor Ramseyer speaks at Harvard Law School's book talk in 2015. He is the coauthor of one of the leading corporate casebooks, Business Associations: Agency, Partnerships, LLCs, and Corporation. (© Harvard Law School Youtube screenshot)

 

学者として誠実であること

 

多い日には、殺害予告を含む70件もの抗議のメールが届き、米国や韓国系の学者らが論文の撤回を求めた署名活動を始め、友人だと思っていた人物までが〝敵〟になった。SNSでは、教授を誹謗(ひぼう)中傷する書き込みが増えていった。

 

それでも、心は折れなかった。宣教師の父親と宮崎県の貧しい田舎で暮らした幼年期の経験や、日本でも米国でも「よそ者」扱いされた体験が教授の不屈の精神をつくり上げたのか。

 

「反論するなら論文で反証すればいい。社会科学の論文を撤回することなどあり得ないことを、学者なら知っているはず。(批判する)彼らは日本語の文献を読む努力を怠っている」。そう話す教授は近々、本紙正論メンバーで、麗澤大学のジェイソン・モーガン准教授と共著で慰安婦問題の書籍を出版する予定だ。

対話は続く

 

上の英文(日本語訳)は、英語ニュースオピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)に先月掲載された記事の見出しである。モーガン准教授が執筆した。記事にもあるように、慰安婦問題をはじめとする歴史戦はまだまだ続くだろう。

 

来月5日には、日韓慰安婦シンポジウムがソウルで開催される。JFは、そうした慰安婦問題の通説に抵抗する動きを今後も世界に発信していきたい。

 

さらに来夏には、米国の高名な会社法学者で、日本研究の大家でもあるラムザイヤー教授に英語と日本語で学ぶ公開講座を、避暑を兼ねて野尻湖の国際村で開催できたらなんと楽しいことだろう。考えるだけでワクワクする。そんな夢を描くJFの活動に、今後もご期待を。

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集部)

 

 

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2023年8月21日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

 

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