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自民党は8月4日、麻生太郎副総裁が7~9日の日程で台湾を訪問すると発表した。党青年局によると、1972年の日台断交後、自民の現職の副総裁が台湾を訪れるのは初めてで、国会議員としては最高位という。麻生氏は蔡英文総統や頼清徳副総統との会談なども予定しており、中国が激しく反発する可能性もある。
麻生氏は7日に日本を出発し、台北郊外にある五指山軍人墓地で台湾の民主化を進めた李登輝元総統の墓参を行う。翌8日には、国際シンポジウム「ケタガラン・フォーラム」に出席し、安全保障をテーマに講演。蔡氏と頼氏とそれぞれ会談し、現下の国際情勢などについて意見を交わす。訪台中、蔣万安・台北市長とも会談する予定だ。
台湾では来年1月に総統選が予定されており、頼氏は立候補予定者の1人だ。総統選には、最大野党、中国国民党の侯友宜氏、国民党に次ぐ勢力の台湾民衆党トップ、柯文哲氏も立候補を表明している。
麻生氏は6月に柯氏と、8月1日に侯氏とそれぞれ日本で会談している。総統選に関しては中立の立場だが、政府関係者は「与党系シンクタンクが開くフォーラムに出席し、頼氏と個別に会うのは、『頼氏が総統になれば日台関係は良好だ』というメッセージになるだろう」と解説する。
中国が台湾への軍事的威圧を強める中、安倍晋三元首相は「台湾有事は日本有事」と語り、日台関係を重視する姿勢を示していた。同じ首相経験者の麻生氏が8日のフォーラムで台湾を巡る情勢についてどのような認識を示すかも焦点になる。
台湾外交部(外務省)は4日、麻生氏の訪台について「台湾と日本の強固な友情の象徴だ」と歓迎した。
筆者:大橋拓史(産経新聞)