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菅義偉(すが・よしひで)首相(自民党総裁)は、3日に憲法施行から74年となるのを前に産経新聞の単独インタビューに応じ、改めて改憲を目指す考えを示した上で憲法9条への自衛隊明記に関し「もちろんだ。(自衛隊は)かつてと全く違い、今では多くの国民に理解を示してもらえるようになった。自衛隊の位置づけはしっかりすべきだ」と述べた。秋までに行われる次期衆院選の党公約に憲法改正を掲げることは「当然だ。柱となるいくつかの重要政策の中に入れるつもりだ」と明言。衆院選を控え、改正に向け党総裁としてのより一層の指導力が求められる。
首相は、現行憲法が今まで一度も改正されていない現状については「世の中はどんどん変わっているので、憲法の条文が現状にそぐわない部分がたくさん出てきているのは事実だ」と指摘。自民は憲法改正を党是に掲げており、改憲に向けた取り組みについて「方針は全く変わらない」と述べた。
国会での改憲議論は、立憲民主党や共産党が慎重姿勢を崩さず停滞しており、憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案は8国会継続審議となっている。これに関しては「国会で議論を進めていくことは当然だ」と指摘した。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、党改憲4項目の一つで創設を目指す緊急事態条項への「感染症」の明記については「国会の憲法審査会で真摯(しんし)に具体的な議論を進めてもらうことが正しい」と語った。
一方、4月の日米首脳会談についてはバイデン米大統領と「旧知の間柄のように一挙に打ち解けた」と振り返った。日米同盟における日本の役割に関し、首相から「日本もしっかりやるべきことはやる」と防衛力強化の意向を伝え、バイデン氏が「その通りだ」と応じたことも明らかにした。
また、バイデン氏とは対中政策で「同じ考えを共有している」とした上で、自由や民主主義など普遍的価値観は「中国でも保障される必要がある。絶対に譲らないと明快に申し上げた」と語った。
7月に開幕する東京五輪・パラリンピックについて「予定通り進めていきたい」と述べ、開催実現への決意を重ねて示した。
筆者:佐々木美恵(産経新聞編集局次長兼政治部長)