President of the Human Rights Commission of Saudi Arabia al Aiban attends the Universal Periodic Review at the United Nations in Geneva

 

国連の名を冠し、また不当な報告が出た。拉致などを禁じた「強制失踪条約」に基づく委員会が、慰安婦問題を俎上(そじょう)に載せ、日本政府に事実解明と責任者の処罰などを勧告した。

 

誤解と偏見に満ち受け入れられない。政府は強く撤回を迫るべきだ。

 

対日審査の最終見解として、元慰安婦らについて国家による「強制失踪」の犠牲の可能性があるなどと指摘しているが、史実を無視している。

 

軍などが組織的に人さらいのように連行したといった捉え方は虚構に基づく誤りである。

 

「慰安婦狩り」を行ったとする吉田清治証言などにより、暴力で女性を強制連行したなどの誤解、曲解が世界に広まった。しかし、吉田証言は、デタラメだったことが分かっている。

 

慰安婦を「性奴隷」と決めつけた国連クマラスワミ報告などもあるが、引用されている証言は裏付けの取れたものではない。

 

日本政府が「事実関係やデータを開示していないという情報がある」との指摘も、「数十万人強制連行」などの嘘に乗った、いわれなき非難であろう。

 

3年前の日韓合意について「補償を求める被害者の権利を否定するもの」との批判も看過できない。合意に基づく支援事業を元慰安婦らの多くが受け入れている。それをほごにし、問題を蒸し返しているのは韓国である。

 

国連の人権関連の条約ごとに委員会が置かれ、締約国の状況を審査している。今年8月に人種差別撤廃委が、慰安婦問題の日本の対応が不十分とするなど、同様の勧告が相次いでいる。

 

放置しては、とんでもない勧告が続き、国連委が反日宣伝の場になるだけである。

 

世界では国や地域によって戦乱や政変の中で国家機関などが人々の自由を奪い、行方不明になる問題が起きている。

 

2010年に発効した強制失踪条約は、これを犯罪と定義し、処罰する枠組みをつくった。

 

日本は、北朝鮮による拉致問題を含む強制失踪について国際的な関心を高める見地からこの条約を重視し、10人の委員の1人に国際法学者を送り出している。

 

その委員会で慰安婦問題が扱われること自体、理解しがたい。委員の人選も含め、政府は嘘を許さぬ発信を改めて心すべきだ。

 

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