Sakura Cherry Blossom Outside Tokyo2

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今年も新型コロナウイルス禍が続く中での、建国記念の日を迎えた。

 

国内で初めて患者が確認されてから2年余り、苦難は続く。このような時こそ国の成り立ちに思いを馳(は)せ、幾多の苦難を乗り越えてきた先人をしのびたい。

 

辛(かのと)酉(とり)の年の1月1日、初代の神武天皇が大和の橿原宮で即位した。よってこの年を天皇の元(はじめ)の年となす―と、日本の建国の由来が、日本書紀に記されている。

 

この日は今の暦の紀元前660年2月11日にあたり、現存する国々の中では世界最古の建国とされる。科学的根拠がないから必要ないという批判はあたらない。大切なのは、日本が建てられた物語を私たちの先祖が大切に語り継いできた積み重ねである。

 

明治維新を経て日本は奇跡ともよばれる近代化を成し遂げ、今も繁栄している。国民は、国を守り、暮らしを豊かにしようと、力を合わせてきた。

 

新型コロナ禍の今に求められているのも国民の結束である。たとえばマスクをするのは、自分を守るためだけではない。大切な家族や社会を、そして日本を守るという気持ちで頑張りたい。

 

日本が生まれたこの日は、祝日が定められた明治6年から紀元節と呼ばれた。先の大戦後、日本を占領した連合国軍総司令部(GHQ)の命令により廃止されたが、昭和41年の祝日法改正で「建国記念の日」として復活した。

 

しかし、建国神話を軍国主義と強引に結びつけた批判が一部に残っているのは残念である。日教組などの影響力が強い学校現場でも、建国の由来や意義はほとんど教えられていない。

 

中学校学習指導要領は「日本人としての自覚をもって国を愛し、国家及び社会の形成者として、その発展に努めること」と定めている。国の成り立ちを知らなければ、真に国を愛せようか。

 

貴族の世から武士の世へ、そして明治維新から現代へと時代が移り変わっても、首座に天皇をいただいて国民が結束する国柄は不変だった。そのような日本の出発をしのび、祝うのが建国記念の日といえよう。

 

きょう、子供たちに日本の建国の由来と意義を教えよう。そして私たちに繁栄した祖国、ふるさとをバトンタッチしてくれた先人に感謝しよう。

 

 

2022年2月11日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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