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秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまが、国際基督教大学(ICU)時代の同級生、小室圭さんと結婚された。記者会見で眞子さまは「二人で力を合わせ共に歩いていきたい」、圭さんは「愛しています」と語った。
眞子さまは皇籍を離脱し民間人となられた。生活の拠点となる米国で、言葉の通り力を合わせ、末永く幸せな家庭を築いてほしい。
本来、国民こぞってお祝いを申し上げたいが、結婚の一連の儀式が行われないなど、異例ずくめの慶事となったのは残念である。
記者会見も、冒頭で2人が結婚に際して伝えたい気持ちを述べるにとどまった。質疑応答は行われず、事前の質問に文書で回答した。圭さんの母親の金銭問題をめぐる中傷などで「複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)」と診断された眞子さまに配慮したかたちだ。
文書回答の中で眞子さまは、一番大きな不安として「誹謗(ひぼう)中傷がこれからも続くのではないか」と挙げられた。2人が語る言葉をもっと聞きたかったが、眞子さまが心やすらかな生活を取り戻されることを願ってやまない。
眞子さまは平成生まれで、上皇ご夫妻の初孫である。宮内庁によると上皇ご夫妻は、結婚について、静かに見守り、眞子さまの幸せを願われているという。眞子さまの姿を幼いころから知る国民の多くもそう願っている。
この日午前、眞子さまは、秋篠宮ご夫妻と、妹の佳子さまに見送られ一礼して宮邸を出られた。佳子さまと抱き合い別れを惜しまれる姿に涙した人もいるだろう。
秋篠宮さまは昨年11月の会見で眞子さまのご結婚を認めると言及した一方、「決して多くの人が納得し喜んでくれている状況ではない」とも述べられていた。その状況が最後まで払拭できなかったのは残念なことである。宮内庁は眞子さまへの十分なサポートができていたか、教訓としてもらいたい。皇室への敬愛が損なわれることがないよう、皇室を一層支える意識を新たにすべきだ。
皇族方は福祉や医療、文化、スポーツなど多岐にわたる分野で社会活動にいそしまれ、国民の皇室への敬愛の念につながってきた。眞子さまもその交流の中で出会った人々への感謝を述べられた。
国民が皇室の活動を理解し、支える意識もまた新たにしたい。
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2021年10月27日付産経新聞【主張】を転載しています