Fukushima Treated Water 015

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Tritium Release is Normal in the Global Nuclear Energy Industry so Why Chastise Japan?

 

(トリチウム放出は世界の原子力関連施設で行われているのに、なぜ日本は非難されるのか)

 

 

「日本のシーフードや刺し身は絶対に食べないでください…日本食は放射能で汚染されており危険です」

 

こんな偽情報が、中国の通信アプリ「微信(WeChat)」の利用者のスマートフォンに中国語と日本語で配信されていると、英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)の編集部にJFサポーターから先月、連絡があった。

 

配信された情報には「日本に隣接する海域で漁獲された魚の放射能値は380倍に達した」「日本の津波の核爆発以来、日本に旅行して日本食を何度も食べた中国人観光客の調査は、さまざまな程度の奇妙な病気があり、それらが増加していることを示しました」などと変な日本語で根拠を示さずに続く。

 

一方で情報は、米食品医薬品局(FDA)が2011年3月の東京電力福島第1原発事故後に発した日本食品の輸入禁止勧告を引用する形で配信されており、一見、米国が今回、新たに日本産食品の禁輸措置をとったかのような印象を与える内容の情報発信となっているのだ。

 

さらに、「親愛なる友人!同胞、(中略)すぐに日本のすべての核汚染食品に抵抗してください。絶対に買わないでください。覚えておいてください!」と配信者は強調し、最後に情報の拡散を求めた。

 

メッセージは「2021.04.15.day.HK」と終わっている。情報は、香港から何者かが発信し、友人や家族らを通じて世界中に拡散されているものとみられる。

 

WeChatは中国でスマートフォンユーザーは誰もが利用していると言っても過言ではないほど生活に欠かせないコミュニケーションツールで、中国の国内外で12億人のユーザーがいるとされる。

 

情報提供をしてくれたJFサポーターの台湾ビジネスマンによると、コロナ禍で日本で消費されなくなった和牛や魚介類などの最高級食材が、台湾や香港、上海に輸出され、日本料理店などで提供されている。中国政府系の発信者が日本の邪魔をするためにこうした偽情報を流しているのではないかと推測する。情報提供者は「最初、知人からこの情報が送られてきたときは驚いた。でも、あまりにおかしいでしょ。日本政府はもっと世界に発信しなければ」と話していた。

 

JFは、福島第1原発の処理水の海洋放出の方針が4月に決まったのを受け、放出されるトリチウムの量が、反発を強める中国や韓国が放出している量よりも圧倒的に少なく、国際機関によって安全性が確認されていることを、本紙の報道をもとに上の英文(日本語訳)の記事などでいち早く伝えた。

 

ただ、先月27日には、中国外務省の趙立堅報道官が自身のツイッターで、中国のイラストレーターが葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をモチーフに、富士山を原発に書き換え、防護服を着た人物が船からバケツで液体を海に流す姿などを描いた画像を掲載した。今後も、日本についての虚偽情報発信が強まる恐れがある。

 

JFは、そんな反日勢力による“印象操作”に対抗し、日本産食品の安全性がどのように保たれているのかを冷静にリポートすることで、世界に日本の取り組みを伝えていきたい。

 

(JAPAN Forward編集部)

 

 

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※「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています。

 

 

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