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‘Wa’―Harmony ― is Shoko Kanazawa’s 1st Reiwa New Year Kanji for JAPAN Forward Readers
(令和初「新年の一字」は「和」 書家の金澤翔子さんが揮毫)

 

令和2(2020)年は日本と世界にとってどんな一年になるのか―。年明け早々、米国とイランによるミサイルの応酬で、中東情勢は一気に緊張。新年は、対立と憎悪が渦巻く険悪な幕開けとなった。

 

年の瀬に海外逃亡した日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告は、レバノンでの先の記者会見で日本を徹底的に非難する情報戦争に打って出た。一方、人権を蹂躙(じゅうりん)する覇権国家・中国や北朝鮮といった一党独裁国家は、核とミサイルを盾に自らの生き残りと影響力拡大を図る危ういゲームを展開する。

 

日本は、そんな魑魅魍魎(ちみもうりょう)とした世界で、何ができるのだろうか。

 

英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)は元旦、令和になって初めてとなる「新年の一字」を掲載した。上の英文(日本語訳)は、その記事の見出しである。

 

ダウン症の書家、金澤翔子さん(34)がJFの読者のために揮毫(きごう)したのは「和」だった。その一字には、写真からも分かるように強い力がみなぎっている。「和」は決して静かなメッセージではない。

 

動画には、巨大な筆を手にした翔子さんが揮毫の途中、「龍が出ました!」と声を発する場面が登場する。実際に、龍に似た小さな模様が「和」の文字の中にいくつも出現していた。力強さは、そんな細部にも宿っていた。

 

大陸から仏教文化を導入した聖徳太子の十七条憲法第一条には、「和を以て貴しとなす」とある。日本人は、異なる価値観が対立する世界で、1400年以上前から「和」によって新しい価値観を生み出そうと努力してきたのだ。

 

東京大学名誉教授の平川祐弘氏は昨年12月19日付本紙「正論」で、さまざまな対立がある現代も、この「和」の意義は重要だと主張した。その上で、「和」が、Harmony(調和)というより、Tolerance(寛容)と訳す方が適当だと指摘。令和の時代に憲法が改正された場合、この「和を以て…」を前文に入れてはどうかとの私案を提案していた。

 

JFは2日、「2020年を迎えた日本:地政学の五輪は始まった」と題した投資アナリスト、ピーター・タスカ氏の論評記事を掲載した。その中で、同氏は地政学的な変革期を迎えた2020年に、安倍晋三首相が憲法改正に向けて大勝負に打って出ると予測し、こう記している。

 

「令和2年はまさに政治で埋め尽くされるだろう。(中略)普通の日本国民がその歴史で初めて自らの国の統治制度について直接、モノをいうことになる。これは日本の民主主義の成熟度を広く国内外に示すものとなろう」

 

そんな景色をぜひ見てみたいものである。

 

だが、その前に日本では、東京五輪が開かれる。日本人が大切にしてきた「和」を含め、日本の価値観を世界に発信する絶好の機会になるだろう。

 

JFは、大晦日(おおみそか)にフェイスブックのフォロワー数が100万人を突破した。100万超えは日本発の英語メディアでは、NHKワールドとJapan Today、そしてJFの3媒体だけだ。発足からまだ2年半のJFだが、新年も、ネットを武器に日本の素顔を世界に伝えていく所存である。

 

(JAPAN Forward編集部)

 

 

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※「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています。

 

 

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