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Expert on China's PLA Says It's Mulling First Strike on Bases in Japan
(中国人民解放軍の狙いは日本の基地の奇襲と専門家が警告)
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10年後、人々はどのような評価を下すのだろう-。5月21日に閉幕したG7広島サミットのことである。
世界で初めて核攻撃を受けた広島に、原爆を投下した米国をはじめとする主要7カ国の首脳が集い、電撃参加したウクライナのゼレンスキー大統領と武器供与を含む支援について協議し、ロシアの侵略と戦うウクライナを支援し続けることで一致した。さらにゼレンスキー氏は、ロシアと良好な関係を保つインドのモディ首相らとも会談した。
「戦争」が中心議題となった、前代未聞のG7サミットだった。
岸田文雄首相はサミット前に、英語ニュースオピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)に寄稿した。首相は、国際社会がロシアの侵略や気候危機、パンデミック、地政学的危機などの「複合的な危機に直面している」として、G7首脳が「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く強い決意を示す」と言明していた。その通りの結果になった。
「日本は、G7議長国として世界に重要なことを教えている」。米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、コラムニスト、ウォルター・ラッセル・ミード氏によるこんな見出しの記事を掲載した。サミットが、世界の危機に対する同盟国の対応策を進めるきっかけをつくったとし、中国への懸念から国際政治におけるインド太平洋地域の重要性が今後、増大するだろうと予測した。
サミットは終わった。だが、これからが実は大事である。中国外務省は20日、サミットの首脳声明などに「強烈な不満、断固反対する」とのコメントを発表した。ロシア外務省も21日、G7は「世界の安定を揺るがす破壊的な決定の孵卵(ふらん)器だ」と反発した。
今後、中露両国は連携を深め、エネルギーや食糧を含む「経済」を武器に、G7諸国の分断や、欧米とは距離を置く「グローバルサウス」と呼ばれる新興国・途上国の取り込みに動いてくるだろう。
ウクライナ人国際政治学者のグレンコ・アンドリー氏はJFに、ロシアが今後さらに謀略や破壊工作などを仕掛けて国内の危機感をあおることで、何年かかってもウクライナを占領するとの目標を立て、長期戦をもくろんでいると断言した。そのうえで、ウクライナが反転攻勢で占領地を奪還できても、人口や国力で勝るロシアとの戦争を終わらせるのは至難の業だと述べ、楽観論を排除した。
一方の中国も台湾併呑(へいどん)を画策し、核戦力を含む軍備の増強に動いている。
上の英文(日本語訳)は、この2週間にJFで最も読まれた記事の見出しである。秘密のベールに包まれた中国軍の動向と米中対決に、世界の読者の関心が高いことを示した形だ。
広島でサミットを取材したJFのアリエル・ブゼット記者は「被爆地・ヒロシマで行われたサミットは、どのサミットよりその名が世界の人の記憶に残るものとなるのではないか」と感想を述べていた。
「G7広島サミットは、世界が“戦国時代”に突入するのを防ぐきっかけとなった」-。10年後、世界のリーダーたちがそう振り返ることができるか否か。世界はまさに歴史の分岐点に立っている。
JFは、核の威嚇をちらつかせるロシアや台湾への脅しに拍車をかける中国、グローバルサウスの大国、インドなどの動向、そして何より「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」を守るために日本が何をしようとしているのか、積極的に世界に発信していきたい。
筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)
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2023年5月29日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています